(中央)パソナグループ 執行役員 グループDX統括本部 副本部長の溝江由里子さん
(右)パソナグループ グループDX統括本部 デジタル戦略部ビジネスパートナグループ DA社員育成チーム チーム長の静谷直樹さん
(左)パソナグループ グループDX統括本部 デジタル戦略部ビジネスパートナグループの木下信さん

 DX人材の不足はどの企業にとっても深刻だ。そうした中、パソナグループは、その解決策の一つとして「デジタルアカデミー社員」制度を創設した。これはIT未経験者を採用し、1年間でDX人材に育ててパソナグループ各社に配属するというもの。2021年10月から1期生の募集が始まり、先日、5期生の採用が終わったところだ。「デジタルアカデミー社員」育成の目標は300人。どうしてパソナグループはIT未経験者を1年間でDX人材に育成できるのだろうか。

「デジタルのフィールドで人を活かす」DX人材を育成

 デジタル未経験者を1年間でDX人材に育成するデジタルアカデミー社員制度。これまで、整体師、和菓子職人、アパレル販売員、惣菜店販売員、劇場スタッフ、派遣営業、メーカー社員など、さまざまな経歴を持つ人たちを採用してきたが、想像以上にデジタルとは無縁そうな職業の人ばかりだ。

「デジタルアカデミー社員制度は、既存の社員やエキスパートスタッフ(派遣登録社員)を含め、DX人材育成を目指す『社内DX推進人材育成プログラム』の一つです」と話すのは、グループDX統括本部・執行役員の溝江由里子さん。

 「社内DX推進人材育成プログラム」を担当しているのはDX統括本部に新しく設けられたデジタル戦略部。旧来は、グループ会社も含めたインフラや共通のアプリケーションなど、ITに関する一元管理をする、いわゆるSE部門しかなかったが、今後はさまざまな局面でDXの取り組みが必要になってくることから、ITの領域で新しいことにチャレンジする攻めの部門として設立された。

 デジタル戦略部では、DX人材を育成するために、既にさまざまな社内DX推進人材育成プログラムを用意している。「新入社員デジタル研修」「DX研修入門編」「RPA(ロボティクス・プロセス・オートメ―ション)運用エキスパート」など、基礎から上級者向け、学び直しまで、「デジタルアカデミー社員制度」も含めて8つのプログラムが動いている。2020年6月で受講者は500人を突破したという。