プーチン大統領とセルゲイ・ショイグ国防相(写真:ロイター/アフロ)

 ロシアがサイバー能力をどのように使用したかについての最新調査を米マイクロソフトが6月22日に公表した。これは、ロシア軍がウクライナに侵攻してから数カ月間のデータ。そこには多くの驚きが含まれると米メディアが報じている。

 ロシアが戦争開始後に試みたサイバー攻撃のうち、3分の2以上が失敗に終わったことが分かった。米ニューヨーク・タイムズは、「ロシアの物理的な軍事能力の低さを反映している」などと報じている

 その一方で、ロシアに有利な戦争ストーリーを広めるための偽情報キャンペーンでは、多くの予想以上に成功しているという。これには「米国がウクライナ国内で生物兵器をひそかに製造している」といったロシア側の主張などがあるという。

露のサイバー攻撃、6割がNATO加盟国標的

 米ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ロシア政府とつながりのあるサイバー攻撃の多くは、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の一部の政府を狙ったもので、主な目的は諜報活動だという。

 ロシアが仕掛けたとされるサイバー攻撃のうち63%がNATO加盟国を標的にしたものだった。地理的にウクライナに近い国々が最も多くの攻撃を受けている。中でもポーランドはこの地域で他のどの加盟国よりも攻撃に遭っている。

 また標的にはバルト3国も含まれているほか、過去2カ月間ではデンマークやノルウェー、フィンランド、スウェーデン、トルコのコンピューターネットワークを狙った活動が増加している。NATOに加盟する一部の国の外務省も狙われたとマイクロソフトは報告している。