渋谷スクランブル交差点の大型ビジョンをメディアジャックしたキンドリル

 2021年9月に日本アイ・ビー・エムから分社独立したキンドリルジャパン。新会社のマーケティング部門を統括するのが、新会社設立と同時に入社した村口賢一郎氏だ。コンサルタント、マーケターとして数々の外資系企業でブランディングとマーケティングをリードしてきた村口氏が説く、これからの「BtoBマーケティング」に必要な考え方とは。

巨大な会社を一からブランディングする

 村口氏は、2002年に新卒で外資系ITコンサルティング企業(後にIBMと統合)に入社し、製造、物流業などのコンサルタントとして活動した。当時、ITの導入にはコストや納期が最も大事だと考えていたが、中国に進出した企業のプロジェクトへの参加が、一つの気付きを与えてくれたという。

「社外のコンサルタントという立場を越えて、チームが一体感を持ったプロジェクトでした。そのときに、システムやテクノロジーよりも重要なのは、プロジェクトの雰囲気、メンバーのカルチャーをマネジメントすることだと感じました」(以下、カギカッコ内は村口氏)

 その体験をきっかけに、コミュニケーションに興味を持つようになった村口氏は、2006年に外資系広告代理店に転職する。デジタル広告が台頭してきた時代で、プランナーとして企業に対してコミュニケーション戦略を提案した。その後、グーグル日本法人でスマートフォン、スマートスピーカーなどの日本導入時にマーケティング戦略を統括した。

「私のキャリアで“核”になっているのは、外国から来たブランドを日本で一から立ち上げて最適化することです」

 と語る村口氏は、2021年、古巣であるIBMからオファーを受ける。正確には、IBMから分社した、新しい企業であるキンドリルのマーケティング責任者(CMO)としてのポジションだった。