SOMPOホールディングスは、2021~23年度新中期経営計画の3本柱の一つに「働き方改革」を挙げている。「働き方改革」の目的は、「社員一人ひとりのやりがいや幸福度の向上、および圧倒的に高い生産性向上を実現する」ことである。そのためにデジタルワークシフトを推し進め、グループ全社員がDX人材になることを目指している。

 櫻田謙悟グループCEOは「人間は人間にしかできないことに注力し、コンピューターができることはコンピューターに任せよう。強い覚悟でイノベーションと社会変革に取り組む」と語り、自ら旗を振る。デジタル技術やAI、データを駆使し、今までにないものを生み出すために「人を変え、仕事を変えて、会社を変えていく」という決意で、社員たちにリカレント型の教育をし、考え方、働き方を変え、デジタル文化を根付かせ、各事業の掲げる利益目標におけるデジタル活用率の向上を図ろうという考えだ。

DX人材は「企画をし、実現して、活用する」

 SOMPOグループでは、まずDX人材を3つに分類した。企画をするDX企画人材、実現するDX専門人材、活用するDX活用人材である。

 それぞれ役割や対象が異なり、DX企画人材は、SOMPOホールディングスの全社員と、各事業会社の本社企画部門が対象である。デジタルを活用した商品・サービスや業務プロセスを企画するため、デジタル企画力(課題発見・課題解決)、情報収集・活用力、案件実行力が必要となる。彼らが中核となってDXを推進し、デジタル施策を次々に企画して組織をけん引。顧客の立場に立って、デジタルをどう活用すれば顧客が喜ぶか、どのようにサービスに生かせばよいかを考えていく。

 DX専門人材の対象はSOMPOホールディングスのデジタル・データ戦略部と各事業会社のデジタル・新規事業部門で、データサイエンス、エンジニアリング、UXデザインの各領域における高レベルのスキルを持ち、DX企画人材が立案した企画を実現する役割。

 DX活用人材は、各事業会社の現場にいて、DX企画人材・専門人材がつくった企画実現のサポートや提供するサービスの改善、現場の意見の反映を担う。また、業務でデジタルを活用し顧客へ価値提供をする人たちであるため、デジタル理解力、デジタル活用力、自律的にデジタル力を高めることができるデジタル育成力が必要になる。

 SOMPOホールディングスでは、この3種類のDX人材を育成すべく、人事部とデジタル・データ戦略部が手を組んで研修を推進。その企画をする人事部・課長代理の須藤翔太さんと、研修講師も務めるデジタル・データ戦略部・課長代理の西野大介さんに話を聞いた。