メタは利用者数も減らしている。「MAP」と呼ばれるグループ全体のアプリの月間利用者は21年12月末時点で35億9000万人となり、3カ月前から1000万人増えた。だが、主力SNS「フェイスブック」の1日当たりの利用者数は19億2900万人で、3カ月前から100万人減った。フェイスブックの利用者が減るのは初めてだ。

  メタがこの日明らかにした22年1~3月期の売上高予想は270億~290億ドルで、前年同期比伸び率が3~11%にとどまる見通し。ウォール・ストリート・ジャーナルは、売上高の伸び率が11%未満にとどまれば、メタの歴史の中で最も遅い成長になると報じている。

メタバース事業の業績初開示 営業赤字102億ドル

 メタのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は21年10月に社名変更を発表した際、「今後数年間で数十億ドルをメタバース分野に投資する」と述べていた。これに伴い、メタは今回初めて、仮想現実(VR)用ゴーグル型端末を含むメタバース関連事業「リアリティー・ラボ」の業績を開示した。

 リアリティー・ラボの21年10~12月期の売上高は8億7700万ドル(約1004億円)で前年同期から22%増えた。だが同事業の営業赤字は33億400万ドル(約3800億円)だった。また、21年通期の営業赤字は101億9300万ドル(約1兆1700億円)で、前年の66億2300万ドル(約7600億円)から拡大した。

 ロイターによると、ザッカーバーグCEOは以前、メタバース関連への投資で21年の営業利益が100億ドル程度押し下げられるとし、同部門が近い将来に黒字化することはないとの見通しを示していた。

 しかし、投資家は成長鈍化の中にある企業がメタバースのような新たな取り組みに支出を増やすことの意義に懐疑的だ。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米投資会社ボケ・キャピタル・パートナーズの最高投資責任者であるキム・フォレスト氏は、「『新しいものを作るために多くの時間を費やします、だが収入は減ります』。この2つは良い組み合わせとは思えない」と指摘しているという。

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