AppleStoreに展示されているiPhone13(写真:Stanislav Kogiku/アフロ)

 米調査会社のIDCが1月27日に公表したリポートによると、2021年の世界スマートフォン出荷台数は前年比5.7%の13億5480万となり、5年ぶりに前年実績を上回った。メーカー別では米アップルが2桁伸ばし、韓国サムスン電子との差を縮めた。

世界スマホ市場、前年割れに歯止め

 スマホの出荷台数は、世界的な普及に伴う市場の成熟と、パソコンやタブレット端末、スマートホーム機器などの「隣接市場」との競争により、16年の14億7300万台をピークに前年割れが続いていた(独スタティスタのインフォグラフィックス)。

 だが、ここにきて「世界のすべての市場で強い繰延需要がみられ、市場は健全な回復に向かっている」(IDC)という。

21年、サムスンのシェア20.1%、アップル17.4%

 21年のメーカー別出荷台数は、サムスンが前年比6.0%増の2億7200万台で首位を維持した。2位はアップルの2億3570万台。アップルの出荷台数は前年比15.9%増だった。同社の市場シェアは前年の15.9%から17.4%に上昇し、サムスンの20.1%に迫った。サムスンはわずか0.1ポイント増にとどまった。

 3位以降はいずれも中国メーカーで、小米(シャオミ)、OPPO(オッポ)、vivo(ビボ)の順。それぞれ前年から29.3%増、20.1%増、14.8%増と大きく伸びた。

アップル、サムスン抜き首位 10~12月

 ただし、足元では半導体などの部品不足や物流停滞がスマホ市場に大きな影響を及ぼしている。21年10~12月期の世界出荷台数は3億6240万台で、前年同期から3.2%減少した。IDCはこうしたサプライチェーン(供給網)の問題が22年に解消するとみるが、年前半は同様の状態が続くとしている。