グリー株式会社 法務総務部 ファシリティマネジメントチーム マネージャー 野長兄一氏

 私自身、大学が建築学部ということもあってファシリティに興味を持ち、新卒時から今まで15年間、総務・ファシリティの領域に従事してきました。総務・ファシリティの領域は飽きることなく、追求することが多い深い分野だと考えています。

 この期間、総務・ファシリティを従事して思うことは、総務=「受け身」という考え方は古いということ。なぜなら、ひと昔前にあった手や足を動かす作業はほぼほぼなくなっており、さらにコロナ禍の中で総務業務はDX化が加速され、極力、無人でも対応できるオペレーション構築が進んでいるからです。昨今、他社の総務の方と情報交換する中でも、オペレーションの見直しサイクルが加速しており、その中でどのようなオペレーションを構築していくかという「攻め」の総務が増えたように感じます。

 総務は、企業の成長局面や下降局面で活躍することが多くあります。なぜなら、成長時に総務が作る仕組みは、0から何かを生み出すわけで、マイナスになることはなく、成果物が1だろうが、2だろうが、はたまた0.1だろうが、事業にとっては絶対にプラスのものを生み出せるからです。

 一方、下降局面でも総務は、人事に次ぐ固定費を管理する部門としてコストをコントロールしています。たとえ従業員の満足度は落ちるかもしれませんが、総務はコストを必ず抑える施策を組むことができます。こちらも事業にとってプラスの影響をもたらすものです。

 コロナ禍のような非常事態の局面においても、さまざまな企業の総務がコストを意識した取り組みを行っているのではないでしょうか。総務は普段から何気なく、戦略的な取り組みを行っており、企業の中で日の目を見ない中でも取り組みを進めているわけです。