※本コンテンツは、2021年6月29日に開催されたJBpress主催「第4回リテールDXフォーラム」の特別講演Ⅳ「小売業のDXの要諦」の内容を採録したものです。

営業利益率を維持するために今、打つべき一手とは

 新型コロナ禍の特徴的な売り上げにより、営業利益率が大幅に上がった小売企業は多いことでしょう。そうした企業にとって、この営業利益率を維持または向上するために、今、行う打ち手が非常に重要になります。
下の図は小売業の現状と、営業利益率を維持するための施策を箇条書きにしたものです。

 取り組むべきことの第一は、お客さまのニーズに応えること。価格ニーズはもちろん、それ以外のニーズへの対応も強化していくべきです。スーパーマーケットの事例でいうと、簡便・即食、料理提案、まとめ買い、健康、プチぜいたく、イベント、お家で〇〇ニーズなどです。

 無理に売り上げを伸ばそうとしないことも重要です。値下げによるディスカウント合戦は、粗利益率を下げて作業量を増やし人件費を上げるという、弊害の多い打ち手です。チラシも売価変更、余剰商品の処理などで人件費を上げてしまいます。

 では、小売業は今、どのような手を打つべきなのか。DX(デジタルトランスフォーメーション)という観点からご紹介します。