※本コンテンツは、2021年6月30日に開催されたJBpress主催「第2回 Marketing & Sales Innovation Forum」の特別講演Ⅲ「対面営業のKKD神話が崩壊する今、デジタル接点やデータを活用した新組織体を構築せよ」の内容を採録したものです。

企業の悩み事、共通点は3つある

 今回は、3月に上梓した書籍『営業を変えるマーケティング組織のつくりかた ~アナログ営業からデジタルマーケティングへ変革する』(技術評論社)の内容から、マーケティング組織の「5世代モデル」についてお伝えします。

 私は過去13年間にわたり、約200事業体を超えるさまざまなマーケティング組織の立ち上げに参画してきました。100事業体を超えたあたりから、各社様の悩み事の共通点が見えてきました。3つあります。

 1つ目は、BtoB企業のマーケティングにロールモデルはないということ。2つ目は、マーケティング組織の立ち位置によって目標と進め方が変わってくるということ。3つ目は、マーケティングのプロセスを数字で可視化せずに目標や計画を立てるのは難しいということです。組織を再編成して、新組織体に変えることができるかどうかは、この3つに集約されます。

 さて最初の視点として、営業体制をどう敷いているか。重要なお客さまはアカウント型の企業が大半かと思いますが、関連子会社、グループ会社、または取引している部門以外の新規部署などには、営業がフォローできていないという課題をよく聞きます。エリア型の場合は、現場がどうしてもモノ売り営業に慣れてしまっていて、モノからコトへとソリューションを展開したくてもなかなか難しい、また本部との連携も思うように進められないという問題を抱えている企業も多いと思います。

 これまで、営業ノウハウは個人に蓄積されており、OJTで教育するというのが大半。またKKD(経験・勘・度胸)に頼っていました。しかし、お客さまの購買・契約行動にデジタル接点が増えたことで、今までのやり方が通用しなくなってきています。営業の知らないところで(把握できない)、さまざまなプロジェクトが始まっていることも多いのではないでしょうか。

 そこで今、マーケティング、中でもデジタルマーケティングの意味を再定義する必要があります。