4月の緊急事態宣言を受け、日本中の企業が大慌てでテレワークへ移行。各所で起きた騒動は今も記憶に新しい。社員向けのノートPCが不足したり、セキュアなVPN回線導入をめぐって企業間で争奪戦が展開されたり、というように。それでも「意外なほどスムーズに多くの企業でテレワーク対応が行われた」と捉える向きもある。たしかに大企業ではそうだったかもしれない。だがIT専任部門を持たない中小企業では、今も悲鳴が上がり続けている。「何をどうすればテレワークが可能なのかわからない」という企業も多い。そうした声にシンプルな解決策を提示したのがT4U。同社が今年、11月13日リリースした「CUVE」とはいかなるモノなのか。

コストと空間と時間と専門性を要するテレワーク対応。それを1つのボックスで解決

 社員が在宅で働ける環境を確保するにはいくつもの条件がある。例えばセキュリティ対策を施したPC端末を人数分用意したり、自社データの漏洩を防ぐVPNなどの専用回線ネットワークを備えたり、外部からの接続が急増する事態に備えたサーバの増強やクラウド系サービスの見直し、機密データへのアクセス権限の割り振りなど制度面の刷新・・・。前々からテレワークを実行していた企業や、非常時を想定して万全の備えをしていた企業もあったが、それはごく一部。それゆえに多くの企業ではコロナ禍の影響を受け、情報システム部門の担当者が一時多忙を極めた。

 それでも大企業には、想定外の事態に備えた資金もあれば、ITに精通した部隊もいる。なんとかテレワーク実現にこぎつけた。しかし例えば数十人規模の企業はどうか? そもそもITに詳しい人材がいないところもある。資金も限られているし、サーバを増強するといってもそのための空間もない。「一刻も早くテレワークを実現しなければならないが、何から手を付ければいいのかわからない」という悲鳴がT4Uには届いていたという。

「当社は2007年以来10年以上一貫して“シンクライアントの総合商社”として歩んできましたので、セキュリティ領域には絶対の自信を持っています。ですから、コロナショックによって多くの中小規模の企業がお困りだと知り、なんとかしたいと思ったんです」

T4U株式会社 代表取締役 中橋治 氏

 そう語るのは創業社長の中橋治氏。データ漏洩等のリスク対策として、データを端末機に残さず集中管理するシンクライアントの発想はセキュリティの基本だ。この考えを追求してきたT4Uは、今や先進的なソリューションの数々を並み居る大企業に提供している。

「ただ実をいえば当社もまた従業員数10名ほどの小規模事業者。つまり私たち自身が円滑にテレワーク中心の体制へ移行するためにも、手軽に導入できて、なおかつコンパクトなハードウエア+ソフトウエアのユニットを必要としていたんです」

 企画室長である中橋愛子氏はそう語り、「他人事ではない」という心情が「CUVE」開発の出発点だったのだと示す。緊急事態宣言前の3月、自社利用も想定した中で動き出したT4U。目指したのは同社が大企業向けに展開している最先端のVDIシステム「VERDE VDI(バーディ VDI)」の機能を、セキュリティ性や安定性を確保しながら小さな箱に凝縮して提供する試み。

「すでに実績ある自社プロダクトをダウンサイズしただけだと思われるかもしれませんが、事はそんなに簡単ではありませんでした」(中橋愛子氏)

T4U株式会社 取締役 企画室長 中橋愛子 氏

 VDI(Virtual Desktop Infrastructure)=仮想デスクトップ基盤とは、サーバ側にユーザーの数(クライアント端末の数)だけ仮想化したマシン環境を整え、その画面(デスクトップ)情報のみをユーザー端末に配信していく仕組みだ。OSやアプリケーション、データのすべてがサーバ側だけで処理されるため、仮に端末機の紛失や盗難が起きてもデータ漏洩にはつながらない。しかも、サーバと端末機の間では画面情報と操作情報のみがやりとりされるため、データ転送の容量も極めて低く抑えられることから、ハイスペックなPCでなくとも利用可能。つまり、社員私有のPCやタブレット、スマホ等でもアクセスできる利点がある。

 しかしT4Uの「VERDE VDI」をはじめ、世にあるVDIシステムは数百〜数千名レベルの大規模ユーザーを見越して設計されたもの。これを十数名レベルの企業でも使えるようにしつつ、究極のダウンサイジングを行いながらコストも徹底的にカットして、中小企業にも導入できるようにするとなれば至難の業というわけだ。

 同社のマーケティングおよび企画分野のパートナーであるWelfeed社の藤森氏は以下のように説明する。

「大企業がVDIを採用した場合、データセンターや本社オフィスなどに2畳分のスペースを要するサーバ群を設置したりするのが普通です。もちろん、利用することになる社員数がもともと少ない中小企業ですから、ある程度の省スペース化は可能ですが、両手で持てるような小箱にすべての機能を凝縮するとなれば、非常にハードルの高いチャレンジになります」(藤森氏)

株式会社Welfeed 代表取締役社長 藤森譲 氏

 それでも中橋愛子氏は小型化にこだわった。

「ハードのサイズだけではありません。稼働音の大きさや消費電力なども中小企業や小規模事業者にとっては重要です。私たち自身も使う側の立場にいるからこそ、中小規模の企業の皆さんの本音に寄り添えるものに仕上げたかったんです」(中橋愛子氏)

 こだわりは組み込むソフトウエアにも及ぶ。「CUVE」をリリースできたなら、導入してくれる企業の多くはおそらく初めてテレワークに臨む。そう考え、安全性を考慮したセキュリティソフト、労務管理ソフトなども搭載してオールインワンのテレワーク問題解決マシンにしようとしたのだ。

「ダウンサイズのための引き算をしながら、機能強化のための足し算もしていき、何度も検証を重ねていったのですが、問題は次々に発生して時間を費やしてしまいました。本当ならばもっと早く完成させてお届けしたかったのに」(中橋愛子氏)

 こうした熱意に共感したのが小山氏率いるスリー・イー。同社は「CUVE」完成後に必要となる構築から保守運用サポートまで一元的な対応を買って出た。

「当社はITインフラに特化した企業であり、ネットワーク・サーバ設計・構築を中心に様々なソリューションを提供しております。以前より中小企業向けのアセスメントサービスを通じて多くのお客様から相談を受けていましたが、コロナ禍に伴いその件数は著しく増加いたしました。当然、テレワークの推進やテレワークにあたってのシステム運用、セキュリティに関するものが圧倒的に多く、『どこに相談すれば解決してもらえるのかさえわからない』といった不安の声が多く届き、このままではいけないと、かねてからのビジネスパートナーであるT4Uの挑戦に私たちも貢献しようと考えました」(小山氏)

株式会社スリー・イー 代表取締役社長 小山洋範 氏

 小山氏はさらに「たしかに深刻なピンチだけれども、これが機会となって、中小企業のIT化やデジタル化が遅れを一気に取り戻すチャンスになるかもしれない」という希望の光も感じたのだという。

「経済産業省が『2025年の崖』の主要因として掲げている『老朽化や複雑化、ブラックボックス化している既存システム』の存在。システムの刷新を行わなければ、2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があると警告しています。大企業では徐々に刷新が進んでおりますが、中小企業においては検討前の企業が多数であると考えています。しかしながら、国内の97%を占める中小企業が元気にならなければ、日本の経済は元気にならない。今回のCUVEでは、どこに相談して良いかわからないというお客様の良き相談相手となれるような繋がりができれば、と考えています」(小山氏)

働き方のニューノーマルに企業規模は関係ない。ピンチをチャンスに変える「CUVE」

 こうして、T4U、スリー・イー、Welfeedの「SMBテレワークプロジェクトチーム」によって作り上げられた「CUVE」は、30センチ弱四方のコンパクトボディ。場所を取らずにオフィス内に設置でき、メインシステムに接続するだけで導入完了。あとはVDIプラスαの機能を起動させるUSBメモリーを各社員が自己保有のPC等の端末に差すのみ。どんなOSを搭載した端末であっても無関係に、自社オフィスで操作していたのと変わらないデスクトップ環境が画面に映し出される。

※写真はイメージとなります。

「テレワークを可能にする代表的な仕組みとしては、VDIの他に端末を社員の方々に配布し、VPNで接続するいう方法もありますが、この方式は社員の方々が自由にアプリケーションを追加できてしまい、データも外部に保管されてしまうためセキュリティのリスクが非常に高まります。反面、VDIでは社員の方が個別にアプリを追加することができず、管理者によって管理され、データも社内にのみあります。しかしながらデータは一切端末に残らないものの、オフィスにサーバを新たに立てる必要もあって初期費用は高めになります」(中橋治氏)

中橋治氏の説明を藤森氏がさらに補足する。

「初期費用が『端末の配布とVPNの仕組み』よりも多くかかるVDIがなぜ多くの大企業に採用されてきたかといえば、利用者数が多ければ頭割りされるため、テレワーク対応全体の予算の中でみれば大きな負担にならないからです。ところが利用者が少ない中小企業の場合は、コスト高がネックになってきます。10人で移動するだけなのに100人乗りのバスを購入するようなもの。そしてこうした背景もあったため、サービス提供側も中小規模事業者向けのVDIソリューションには着手してこなかった、という現実がありました」(藤森氏)

 それでもあえてT4Uが「CUVE」開発を断行したのは、先にも触れた通り「日本の中小企業のIT化・デジタル化促進に貢献したい」「今悲鳴を上げている多くの企業に新しい働き方を提供したい」という熱意から。いよいよ11月から本格リリースのスタートとなるが、先行導入したユーザーからの評価はきわめて高いとのこと。

 中橋愛子氏も以下のように力を込める。

「会社で仕事をしているのとまったく変わらない環境が、自宅のPCやタブレットに遅延なく届き、リアルタイムに作動していると聞いて、本当に安心しましたし嬉しく思っています。どんな働き方になろうとも、中小企業の皆さんが本来やるべき仕事に集中できる環境さえ整えば、間違いなく今の苦境も越えていけるはずだと確信しています。コスト面の課題については、正直、採算度外視の価格設定です(笑)。まずは私たちも含む中小規模の企業が当たり前に動き出せることが何より大切ですし、今後この『CUVE』を軸に多様な価値の創出・提供も進めていけたらと考えています」

現在期間限定でモニターユーザーを募集しており、特別価格で導入が可能です。気になる企業様は下記の問い合わせ窓口に気軽にご連絡ください。

CUVE総販売元: 株式会社Welfeed CUVE担当窓口
電話番号 050-3717-8772/メールアドレス info@welfeed.co.jp

CUVE製造元: T4U株式会社 CUVE担当窓口
電話番号 03-6661-7741/メールアドレス cuve@t4u.asia

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