PHOTOGRAPH BY Possessed Photography / UNSPLASHPHOTOGRAPH BY Possessed Photography / UNSPLASH

 新型コロナウイルスは現実世界を大きく変えてしまった。この変化によって、過去に予測されていた未来も変わってしまうのだろうか。コロナ禍で進化の加速がみられる技術もあり、これから訪れる未来は、これまでの常識では考えられないものになるかもしれない。

 そうした中で私たちは、どのような視点からAfterコロナの世界を捉えればよいのだろうか。昨今の環境変化を踏まえ、テクノロジーと人々の生活、産業の未来はどうなっていくのかフューチャリストの小川和也氏に話を聞いた。

非接触技術とバーチャルヒューマンが爆発的に進化する

グランドデザイン株式会社 代表取締役社長 北海道大学客員教授 フューチャリスト 小川 和也グランドデザイン株式会社 代表取締役社長 北海道大学客員教授 フューチャリスト 小川 和也 氏

―― コロナ禍で人々の生活はがらりと変わりました。小川さんはこの変化をどのように捉えていますか。

小川 和也 氏(以下、小川氏) リモート会議やオンライン授業が増え、早々にオフィス移転する企業が現れたり、地方へ移住してしまう人が出てきたりしています。仕事がオンラインで完結するようになったから地方に引っ越そうとか、すべてのミーティングはオンラインでいいとか、判断のスピード感は大事である一方で、それらが長い目で適切な判断であるとは言い切れないと考えています。

 このようなパンデミックを経験したことがない中で、科学的な根拠の乏しい衝動的な判断や行動が、失敗を招くことも多いはずです。失敗から学ぶこともあるわけですが、現時点の情報に振り回されて、未来が見えたかのような決断をしてしまうには時期尚早だと思います。

―― コロナを分岐点に、どのような技術が進化すると考えていますか。

小川氏 非接触をテーマにしたバーチャルヒューマン技術が加速度的に進化すると考えています。

 すでに製造業の現場ではコロナ前からファクトリーオートメーション、「インダストリー4.0」といった概念が進んでいました。こうした技術が5Gや高速Wi-Fiなど通信回線の発達により、私たちの日常のあらゆる面で一般化すると考えられます。

 このような技術が浸透すれば、例えば、工事現場を無人化できるようになります。高速通信回線が普及すれば、工事現場に多くの機械やロボットを投入し、同時多接続できるようになるでしょう。すると人間が現地で立ち会ったり指示を出したりしなくても、機械同士が通信回線で指示し合うようになります。現場作業員は危険な作業から解放され、労働生産性も大幅にアップします。