(写真はイメージです/写真AC)

 厳しい環境に置かれている地方の小規模スーパーは、どうすれば生き延びていくことができるのでしょうか。本連載では3回にわたって、小規模スーパーが生産性を高め、収益を向上させるための取り組みについて、具体的な事例を紹介しています。
(寺川 正浩:日本能率協会コンサルティング ビジネスプロセスデザインセンター チーフ・コンサルタント)

個人経営型だからこそ各店の工夫を共有

 人員不足により店舗巡回を中心とする管理が行き届かなくなった地方の食品スーパーA社では計数管理を重視し、店ごとのバラツキにアプローチし効率的な指導につなげていきました。それだけではなく生産性向上のための取組も並行してすすめていきます。

 自分たちの仕事のやり方の違いが計数の違いにつながっているということが腑に落ちれば、割とスムーズに現場は動き出します。計数管理をとっかかりとする毎月の部門ミーティングが定着すると、高い数値の売場がどのようなオペレーションをしているか自然と主任間で話題に上がるようになりました。

「鮮度維持のために葉物は閉店後冷蔵庫で補完する」「昼と夕方のそれぞれ2回商品の売れ行きをみながら売場を変えている」──こういった個々の店舗の工夫が、じわじわと複数店舗に広がってきました。同じレイアウトがいつも数日間続いていた青果売り場が今は昼までの商品の動きをみて午後に売場を変えるようにもなりました。

「唐揚げはフライヤー170℃、4分30秒で・・・」。定番の売れ筋商品の共通のガイドラインです。デリカ部門では定番とされるアイテムを各主任が持ち寄って、せっかくなら一番おいしい味にあわせようという取組をすすめており、お客様の評判も上々です。