スタートアップやイントレプレナーが共感を得るには?

 起業家やスタートアップが資金調達や事業提携を目的に、投資家等へ自社のサービスや将来性についてのプレゼンテーションを行う「ピッチイベント」。企業意識の高まりに伴い、国内でも規模の大小問わず様々なピッチイベントが開催され、盛り上がりを見せている。

起業家の登竜門! 国内で盛り上がる大型ピッチイベント

 資金や協業先を獲得する場であり、スタートアップにとって「登竜門」的な意味を持つピッチイベント。複数のスタートアップが登壇し、その中から優勝者を選ぶコンテスト形式のイベントも多数開催されているが、国内ではどのようなイベントが開催されているのだろうか。いくつか例を見てみよう。

TechCrunch Tokyo
 国内スタートアップの最新動向等を発信するTechCrunch Japanが主催する、日本最大級のスタートアップ・テクノロジーの祭典。昨年11月に渋谷ヒカリエで行われた「TechCrunch Tokyo 2018」では、有料入場者2200名超と過去最高を記録した。

 同イベントでは毎年目玉となる催しの一つとして、創業3年未満のスタートアップが競い合うピッチコンテスト「スタートアップバトル」が行われている。イベント当日は書類審査や予選を通過した企業によって、今年ローンチした(もしくはする予定の)プロダクトを発表し、競い合う「ファイナルラウンド」が開催され、優勝チームには賞金100万円が贈呈される。

 2018年は100社を超える応募企業の中から、イエバエを活用して世界の食糧危機の解決を目指すムスカが優勝。同社は2019年に入ってからも、丸紅や伊藤忠商事との戦略的パートナーシップ締結を発表するなど注目を集めている。9回目の開催となる「TechCrunch Tokyo 2019」は2019年11月14日、15日に行われる予定だ。

Slush Tokyo
 フィンランド発祥の国際的なスタートアップの祭典「Slush」の日本版として開催されているイベント。こちらも目玉プログラムの一つとして、スタートアップによるピッチコンテストが行われている。

 2019年2月22日から23日にかけて行われた「Slush Tokyo 2019」には、世界80カ国から7000人以上の参加者が集い、オープニングのスペシャルゲストとして小池百合子都知事が登壇する等、大いに話題を呼んだ。

 同年のピッチコンテストでは、世界各国の応募企業約100社の中から、女性のための働き方データベースを展開するClarityが優勝。Slush史上初となる、日本人起業家の優勝という快挙を成し遂げた。

Clarity代表の古谷聡美氏(画像はプレスリリースより引用)

 なお、同イベントでは英語が公用語として用いられており、セッションやピッチも全て英語で行われる。

TOKYO STARTUP GATEWAY
 東京都主催のスタートアップコンテスト。練り込んだ事業計画書等は不要で、基本情報と400文字程度の事業アイデアでエントリーできるのが特徴。2014年からの5年間で4583件ものビジネスアイデアが集まり、そこから80名以上の起業家が誕生し、挑戦を続けている。

 コンテストのエントリー者は、先輩起業家による講義やメンタリングを受けてビジョンや事業計画書をブラッシュアップしていく。最終的にファイナリストとして選出された10名で決勝大会が実施され、最優秀賞100万円(1組)、優秀賞50万円(2組)、そしてオーディエンス賞(1組)をかけて競い合う。

 また、ファイナリスト10名は決勝大会後、約3カ月間のアクセラレーションプログラムを受けられる他、都内で法人を設立する際に活動過去ファイナリストに選ばれた起業家たちによる「400文字アイデア」を掲載した「TOKYO STARTUP GATEWAY 400文字起業ガイド」が公開されているので、エントリーを検討している人は目を通してみると良いだろう。資金100万円が提供される。

 上記はほんの一例だが、大規模なものから小規模なものまで、各地で様々なピッチイベントが行われている。