デジタルトランスフォーメーションの要となるデータ分析業務を専門に行う会社(ARISE analytics)を設立したのがKDDIだ。どのような業務を行い、どのように親会社と連携を取っているのか。ARISE analyticsの家中仁社長に、デジタル分野における経営陣コミュニティ「CDO Club Japan」理事の鍋島勢理氏が聞いた。(JBpress)

KDDIとアクセンチュアのジョイントベンチャー

――KDDIの髙橋誠社長に、CDO(Chief Digital OfficerまたはChief Data Officer)の役割を担っている方がどなたかをお聞きしたところ、KDDIグループにおいてデジタルアナリティクスを牽引しているARISE analytics社の家中社長をご紹介いただきました。御社ARISE analyticsはKDDIとどのような関係にあるのでしょうか。

 当社は、KDDIグループのデータ利活用の中核的な役割を果たすために、KDDIとアクセンチュアが2017年に設立した合弁会社で、データ分析を専門としています。

――データ分析の機能をあえて別会社としているのはどういう理由でしょうか。

 一つは、スピード感を出すためです。KDDIは大きな組織なので、社内でやろうとすると多数の部署や多数の社員が関わるため、必然的に時間がかかってしまいますから。

 もう一つは、コンサルティング会社であるアクセンチュアの知見などを使って、「KDDIグループがやらなければいけないこと」を提言するためです。KDDIから「こういうことをしてほしい」と言われたことを実行するのではなく、第三者の視点を持って「KDDIはこうやるべきだ」とこちらから提案することを期待されていると思います。

――KDDI側にはデジタル化を推進する組織があるのでしょうか?

 当社の親元にあたるのはライフデザイン事業本部DMP(データマネジメントプラットフォーム)推進部という部署です。KDDIの中でインターネットサービスを扱うこの事業本部は、10年以上前、スマートフォンの前の時代からデータ分析に取り組んでいました。当初は自部署のデータのみを扱っていましたが、次第にほかの部署のデータも扱うようになり、現在ではKDDIグループのさまざまな事業から得られるデータを集約し、管理しています。そこにあるデータを使って当社が分析する、という形になっています。