最近になって、モバイル通信の話題などで「5G」という単語を目にしたり耳にしたりすることが、少しずつ増えてきていないでしょうか。5Gというのだから、4Gの次なのだろうということはイメージできますし、きっと今よりも高速な通信ができるといった性能アップが見込まれることも想像に難くありません。

でも、通信の世界の話は難しくてわかりにくいですし、IoTとの関係性がどうなっているのかも通信業界以外の一般の人には周知されているとは言えません。そこで、今回は「基本のキ」シリーズの拡大版として、「5Gってなんだ」という疑問にできるだけシンプルにお答えしてみたいと思います。

約10年で世代交代してきた移動体通信方式の歴史

まず、5Gの「G」の意味を見ていきましょう。気づいている方も多いと思いますが、これはジェネレーション(世代)の頭文字を表す「G」です。日本語で5Gは「第5世代移動体通信方式」と言います。これまでに、NTTドコモのFOMAに代表される「3G」、同じくドコモのXiやauのau 4G LTE、ソフトバンクの4G LTEなどの「4G」のように、移動体通信方式は世代が移り変わってきました。

ここで、簡単に歴史を振り返ってみます。1980年代までの「1G」では、アナログ方式の携帯電話が使われていました。1Gでは、「音声通話」をモバイルで利用できるようになるという大きなトピックがありました。次いで1990年代にはデジタル方式の「2G」が登場します。この頃から、音声に加えて「テキストの通信」が徐々に広まってきました。2000年代には「3G」が普及しました。3Gでは「高速データ通信」が可能になり、携帯電話によるWebサイトの閲覧や電子メールのやり取りが一般化しました。2010年代には、スマートフォンの普及と歩調を合わせて「4G」が広まり、データ通信はさらに高速化して「動画通信」が日常生活を豊かにしてくれています。

移動体通信方式の「世代」と「実現してきた機能」