サムスン電子の李在鎔副会長(創業50周年を迎えた2019年11月1日、AP/アフロ)

 2021年4月16日、崔泰源(チェ・テウォン=1960年生)大韓商工会議所会長(SKグループ会長)など韓国の経済5団体のトップが洪南基(ホン・ナムギ=1960年生)経済副首相と会った。

 この席で、経済団体トップから、収監中の李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)サムスン電子副会長に対する赦免を求める意見が相次いだ。

 直接関係があるとは思わないが、「あれ?」と思わざるを得なかった。

7キロ痩せて拘置所復帰

 経済団体のトップと経済副首相の懇談会の前の日、こんなニュースが主要メディアに一斉に流れた。

「迷惑をかけたくない。7キロ体重が減った李在鎔氏、拘置所復帰」

「毎日経済新聞」の見出しだ。

 収監中の李在鎔氏は、3月半ば、猛烈な腹痛に見舞われ拘置所から病院に緊急搬送された。虫垂炎だった。サムスンソウル病院で手術を受けていた。

 当初は3週間で拘置所に戻る予定だったが健康回復が遅れていた。

 報道によると、病院側はさらに様子を見てはどうかと言ったが、本人が「これ以上迷惑をかけたくない」といって拘置所に戻ったという。体重が7キロ減ったともいう。

 こんな話が報じられた翌日、「赦免」の話が経済団体トップから出てきたのだ。

 この日、経済副首相と会ったのは、大韓商工会議所会長のほか、韓国貿易協会会長、韓国経営者総協会会長など。