シンガポールの主要港のひとつ、ケッペル港(写真:ロイター/アフロ)

 シンガポール政府は11月24日、国内に滞在するバングラデシュ人ら16人を「過激思想やテロを助長する内容をウェブサイトに書きこみ、治安維持を乱し宗教間の憎悪を煽った」として、国外追放処分としたことを明らかにした。複数のメディアが同日伝えた。

 報道によるとシンガポール内務省は24日、バングラデシュ人15人とマレーシア人1人を国外追放にしたことを明らかにしたが、追放した日時については詳細の公表を避けた。

ネット上にフランスで起きた風刺画事件に関連した書き込み

 16人は、10月16日にフランスで起きたイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を生徒にみせた教師がチェチェン人イスラム教徒に殺害されたテロ事件に関連して、風刺画を批判したりイスラム教徒の立場を擁護したりする内容などをそれぞれウェブサイトに書きこんでいたことが問題とされ、身柄を拘束して捜査が続いていたという。

 内務省によると、バングラデシュ人15人はシンガポール国内で外国人労働者として合法的に滞在して建設現場などでの労働に従事していたという。15人はフランスの風刺週刊誌「シャルリエブド」が掲載した預言者の風刺画やその風刺画を学校で生徒に見せていた教師の殺害テロに関して、事件に同調して「テロや暴力を助長」する趣旨の主張を書きこんでいたという。

 またマレーシア人は、風刺画事件に関連してシリアやパレスチナへ渡航してのテロへの参加をウェブ上で促していたとされている。