「サルト」代表取締役の檀正也さんは、熊本県出身。婦人アパレルなどを経て、2000年に「サルト」を開業。高級ファッションアイテムのリフォームを業界に定着させた立役者
福岡、原宿を経て、現在は銀座2丁目で営業する「サルト」。2020年には今までの隣のビルに移転リニューアルを果たした。洋服のリフォーム、シューリペアやオーダー、スーツのビスポーク……。ファッションにまつわるすべてを網羅する、ほかにはないサロンである
住所/東京都中央区銀座2-6-15 吉田ビル2F
TEL/03・3567・0016
公私ともに「サルト」にお世話になっている筆者。洋服にまつわるうんちく話から海外ネタの情報交換まで、つい時間を忘れて話し込んでしまう
この日は愛用のビスポークスーツを持ち込み、取材の合間にフィッティングの気になる点を相談した。それぞれのテーラーの持ち味を理解した上でリフォームしてくれるし、望みとあれば仮縫いまでしてくれるから、高価な服でも安心して持ち込めるのだ
サロンの上階にはファクトリースペースを構えているから、職人と緊密なやりとりが可能。70代の超ベテランから20代まで、幅広い世代の職人が腕を奮っている
一見するとトラウザースをつくっているようにも見えるが、もちろんこれはお直しの工程! シルエットひとつを修正するのにも、テーラー譲りの緻密なカッティング技術が注ぎ込まれている
手縫いの箇所はちゃんと手縫いで仕上げるのが「サルト」の流儀。現地のファクトリーと極力同じ糸や副資材を使って、〝キートン〟なら〝キートン〟流、〝イザイア〟なら〝イザイア〟流といった具合に、ファクトリーがもつクセまでも再現してくれる
最近ではいわゆるクロージングではなく、ダウンジャケットやジャージーといった特殊な洋服が持ち込まれるケースが増えてきたという。特殊な生産工程でつくられるこれらのリフォームは、クロージングとはまた違った難しさがあるとか