閉鎖された北京のアップルストア。2020年2月4日(写真:AP/アフロ)

 米調査会社のIDCによると、中国の今年1~3月期のスマートフォンの出荷台数は、1年前に比べ30%以上減少する見通しだという。

予測不可能な「ブラックスワン現象」

 新型コロナウイルスの感染拡大が1月下旬の春節(旧正月)のショッピングシーズンに影響を及ぼしたが、その影響は、その後数カ月にも及ぶとみている。今年の上半期、世界最大のスマートフォン市場である中国市場は極めてまれで、予測不可能な「ブラックスワン現象」を経験する恐れがあるという。

 これに加え、メーカーの新製品計画やサプライチェーン(部品供給網)、販売チャネルの中長期的な動向にも不透明感が出てきたという。

 また、シンガポールに本部を置く調査会社カナリスは2月3日に公表したレポートで、今年1~3月期の中国におけるスマートフォン出荷台数が昨年10~12月期に比べ40~50%落ち込むとみている。

アップル、店舗と工場を閉鎖

 中国では新型コロナウイルスの感染拡大への対応で、春節に合わせた連休が延長された。また、世界保健機関(WHO)が「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」を宣言した。これらを受け、米アップルは中国本土の全直営店の一時閉鎖を決めた。同社は当初、2月10日の営業再開を予定していたが、CNBCなどの米メディアは2月7日、アップルが店舗の営業再開を見合わせたと報じた。

 アップルは、「公衆衛生の専門家や政府機関と十分に協議し、2月第3週内にオフィスと顧客サポート窓口の再開を目指すことにした。小売店の再開も準備を進めている」と述べたという。店舗の営業再開日は決定し次第知らせるとしており、いまだ具体的な日程が決まっていない状況だ。

 (参考・関連記事)「中国本土の「Apple Store」全42店を一時閉鎖