お金、どんげね? 宮崎発マネー相談室【第7回】

 宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回も、前回までに引き続き「投資信託の選び方」について考えていきます。たくさんある投資信託の中から、自分に合った投資信託を選ぶポイントは「リスク」です。

膨大なラインナップから投資信託を選ぶには

 前回は、投資初心者の方が資産運用を始めるにあたって、「投資信託」をベースにして、投資の第一歩となる投資信託の選び方の手順を話してきました。資産運用に限らず、「初めて」は何事も不安が付き物です。この「不安」を少しでも「安心」へと変えるために、前回の記事では「3つの手順」を提案したのですが、どうしても入り口としての大まかな提案になってしまいます。

 そこで今回は、投資信託の選び方について、より詳しいアドバイスをしていきたいと思います。

「私はギリギリの生活だから……」
「今は問題ないけど、後の生活はわからん」

 など、さまざまな不安や心配を抱えている方が「投資のリスク」をどう考えるべきかまで踏み込んで、投資信託を選ぶ手法に関する私の考え方を紹介していきます。

 私のもとには、以下のような質問がよく寄せられます。

【質問】
投資信託を金融機関経由で勧められ、どうするか検討中です。だけど投信のラインナップを見てもいろいろありすぎてわからんし、損をしない“安全パイ”を考えると、どの商品がいいのか? 金融機関担当者のお勧めの商品が一番いいのでしょうか?

 銀行や信用金庫、証券会社などの金融機関では、投資信託のラインナップとして商品一覧表が用意されています。

 確かに、1つの銀行で100本以上の投資信託を取り扱っていることもありますから、その中から選ぶのは難しいですよね。金融機関に勧められるままに選ぶ気持ちもわかります。でも、勧められた商品が本当に自分に合っているかどうかは、自分自身にしかわかりません。

 基本的には、前回の手順に沿って商品を選んでいくことになります。

投資信託を選ぶ3つの手順
① マネー情報誌の投資信託ランキングから、国内で運用している投資信託を探す
② 運用期間が長い投資信託を探す。できれば10年以上
③ 運用報告書で組み入れ資産の内容を確認する

 投資において、いちばん怖いのはお金が減ってしまうことです。できることなら誰しも“安全パイ”の商品を選びたいですよね。しかし、実際の投資信託には「リスク」があります。一時的に値下がりしてしまう可能性を、ある程度は受け入れなければならないのです。

 したがって、投資信託を選ぶうえでは、自分自身の「ここまで損してもあきらめられる範囲」を決める手順を知っておくといいと思います。

 例えば、100万円のお金を5年間投資して、

① 100万円のお金が、5年後に50万円になる。
② 100万円のお金が、5年後に80万円になる。
③ 100万円のお金が、5年後も100万円とほぼ変わらない。

 というように、3つくらいのリスクパターンを決めて、投資信託のリスク度合いにあてはめていくのです。

 このリスク度を、商品を選ぶ際に考えていけばいいのです。