2014年4月、横浜DeNAベイスターズから戦力外通告を受けた後、独立リーグ・群馬ダイヤモンドペガサスでプレーしていた当時のラミレス(写真:アフロ)

 さすがに余裕がなくなってきた。プロ野球セ・リーグ首位の巨人のことだ。

 4日の中日ドラゴンズ戦にも完敗で5位相手にカード負け越しを喫し、まさかの4連敗。5年ぶりのリーグVへ独走態勢を固めていたはずが、一度点灯したマジックはあっさりと消滅してしまい、明らかに急失速している。しかも先発マウンドに送ったエース・菅野智之投手が2回5安打4失点の誤算で試合中、何らかのアクシデントも発生した模様だ。ペナントレース終盤のタイミングで先発ローテから外れることになれば、チームにとって痛恨のダメージとなるのは言うまでもない。ただでさえ、先発要員不足に喘いでいるだけに、エース不在となると大事な公式戦終盤で投手陣全体に大きなしわ寄せが波及することになるのは必至だ。

「失速」巨人・原監督の動揺誘うベイの躍進

 この日の試合後、原監督は多くの報道陣に囲まれながら努めて平常心を装っていたというが、伝わって来たコメントからはやはり想定外の出来事に対する「動揺」も感じ取れた。菅野の状態について「正常じゃないということ」と独特の言い回しで評し、その詳細に関しては「詳しいことはなかなか言えないけど・・・。そのぐらいで」と珍しく言葉を濁すしかなかったという。アクシデントが絡んでいたとはいえ、長期離脱から復帰したばかりの正妻・炭谷銀仁朗捕手とバッテリーを組みながら背信投球となってしまったこともチームに暗い影を落としている。

 そして何よりも指揮官の「動揺」に拍車をかけているのが、非常に不気味なリーグ2位・横浜DeNAベイスターズの存在だろう。急失速している巨人をあざ笑うかのように、ここ最近10試合で8勝2敗と驚異的なペースで白星を積み重ねている。4日も分が悪い阪神タイガースを相手に4点差をひっくり返し、最後は主砲・筒香嘉智外野手の2ランで劇的なサヨナラ勝ち。本拠地・横浜スタジアムに集まったベイ党を狂喜乱舞させ、首位・巨人とのゲーム差を「2・5」にまで縮めた。残り試合数も一時期は5ゲーム近く巨人が多く残していたが、いつの間にやら4日現在でベイスターズは僅か2試合少ないだけで、その差もほとんど気にするレベルではなくなっている。