目に映るYouTubeのロゴ(写真:ロイター/アフロ)

 米グーグルが巨額の制裁金を支払うことで米連邦取引委員会(FTC)と合意したとウォール・ストリート・ジャーナルなどの米メディアが報じた。

 これは、米国で2000年に施行された「児童オンラインプライバシー保護法(COPPA)」にグーグル傘下の動画共有サービス「ユーチューブ(YouTube)」が違反したとして、FTCが調査していたものだ。

 政治メディアの米ポリティコによると、グーグルは1億5000万~2億ドル(約160億~約210億円)を支払ってFTCと和解する。児童オンラインプライバシー保護法の違反では、これまでで最大の制裁金だという。

当局がテクノロジー大手の監視を強化

 FTCは昨年(2018年)、消費者団体やプライバシー擁護団体の苦情申し立てを受け、ユーチューブの調査を開始した。12歳以下の子どもの行動データを不適切に集めたり、子どもを危険なコンテンツや成人向けコンテンツにさらしたりしたという疑いだった。

 調査の結果、FTCは今年7月、同社に制裁金を科す和解案を決議。米ワシントンポストによると、FTCの5人の委員のうち、共和党系の3人が賛成し、民主党系の2人が反対した。その後、和解案の内容について米司法省が精査していた。

 こうした措置は、規制当局の大手テクノロジー企業に対する監視強化の一環だとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。例えば、FTCは先ごろ、最大8700万人分の個人情報流出問題で、米フェイスブックに50億ドル(約5300億円)の制裁金を科した。

 FTCは和解の条件として厳格な管理体制も義務付けた。プライバシーに関する独立した委員会を設置し、新たに指名する複数のコンプライアンス責任者が四半期ごとにレポートを作成する。それをマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)や独立した審査員、FTCに提出するというものだ。

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