米、ドイツにホルムズ海峡の安全確保で協力要請

イラン港湾都市バンダルアバス沖に停泊する英船籍のタンカー「ステナ・インペロ」を監視するイラン革命防衛隊(2019年7月21日撮影)。(c)Hasan Shirvani / MIZAN NEWS AGENCY / AFP〔AFPBB News

 2019年5月および6月(日本国籍のタンカーを含む)に、ホルムズ海峡でタンカー攻撃事件が発生した。

 これを受けて、ドナルド・トランプ米大統領が6月24日、ツイッターに次のように投稿した。

「なぜ米国が他国のために無報酬で航路を守っているのか。こうした国々がいつも危険な旅をしている自国の船舶を守るべきだ」

「米国は世界最大のエネルギー生産国になった。そこにいる必要すらない」

 このトランプ大統領の意を受けて、7月9日にはジョセフ・ダンフォード米統合参謀本部議長が、イラン沖のホルムズ海峡やペルシャ湾、アラビア半島南部イエメン沖のバベルマンデブ海峡で民間船舶の航行の安全を確保するため、同盟諸国の軍と数週間以内に有志連合を結成し、海上護衛活動を行う考えを明らかにした。

 7月25日、マイク・ポンペオ米国務長官は「原油などが通過するこの海域で利益を得ているすべての国は、自国の利益だけではなく、自由で開かれた航行を守るために、有志連合に参加する必要がある」との述べ、日本などに強く参加を要請した。

 日本政府は、伝統的なイランとの友好関係より日米同盟を優先し、7月19日に米政府が開催した「有志連合説明会」に在米大使館の政務担当幹部を参加させた。

 これにより、日本政府は、大枠で有志連合に参加する意思を表示したのである。

 さらに、米中央軍が司令部を置く南部フロリダ州タンパのマクディル空軍基地で開催された2回目の説明会にも日本は参加している。

 現在、日本政府は、各国の動向を見ながら資金協力から自衛隊派遣まで様々な対応を検討している状況にある。

 しかるに、今回の米国の「有志連合」構想にはいくつかの疑問や疑惑がある。以下、それらについて述べる。