ジャニー喜多川さん死去 87歳 日本の男性アイドルを多数輩出

東京で、ジャニー喜多川さん死去を伝えるテレビ画面の前を歩く女性(2019年7月10日撮影)。(c)Kazuhiro NOGI / AFP 〔AFPBB News

 ホルムズ海峡護衛の有志連合、英国では第2の悪夢かもしれないボリス・ジョンソン首相就任・・・国際社会では非常に重要な問題が噴出しています。

 ところが、日本のメディアは相変わらずスポーツ芸能報道が大半を占めています。

 しかもその芸能では、元来「闇営業」が問題であったはずが、いつのまにか論点がすり替わって「マネジメント事務所のパワーハラスメント」から「芸人を守れ」の合唱ばかり。

 本当に規制すべきは反社会的勢力と芸能界のつながりだったはず。しかしこの問題がかすみかねない勢いです。

 これを「流れを変えた」などと評価する向きもあるようですが、トンデモないポストトゥルースと言わねばなりません。

 そんななか、最大手の興業会社を「辞める」と、在籍芸人が堂々とマニフェストする事態が発生しつつあり、「興業会社を辞める」「辞めない」といった「事務所対芸人」の泥仕合そのものが、エンターテインメント化しつつあります。

 こうした動きは、偶然の経緯を含め、今まさに動き出して堰が切れた勢いになっていると思いますので、前稿末尾に予告したとおり、もう一つ深い層の問題、すなわち芸能マネジメントの「興業ヤクザ体質」の終焉について、記してみたいと思います。

あまりに当たり前の「公然の秘密」

 7月17日、ちょうど「京都アニメーション」放火事件の前日夜にあたりますが、公正取引委員会がジャニーズ事務所に対して、解散したアイドルグループ「SMAP」のうち、同事務所を退社した3人のテレビ出演を妨害する圧力をかけていた独占禁止法違反容疑で、注意を行ったことが報じられました。

 この報道を目にして最初に思ったのは、「何を今さら」という率直な本音、そしてついに終わるのだな・・・という、時代が過ぎ去ることへの感慨でした。

 大手事務所を辞めたタレントは、大手メディアでは表に出さない――。

 これはあまりに当たり前のことであって、表で言うことでもありませんが、関係する業界で少しでも仕事すれば誰でも知っている常識に類することにほかなりません。

 これに先立つ7月9日、ジャニーズ事務所の総帥、ジャニー喜多川こと喜多川擴氏が87歳で逝去、それからちょうど1週間で、もうこういうことになってきたのか・・・。

 隔世の感をもたずにはいられません。

 ジャニーズ事務所は1962年に創業、「ジャニーズ」「フォーリーブス」「郷ひろみ」などのアイドルを生み出しますが、70年代は一時低迷。