英、ペルシャ湾で欧州主導の船舶護衛計画 タンカー拿捕受け

イラン港湾都市バンダルアバス沖に停泊する英船籍のタンカー「ステナ・インペロ」を監視するイラン革命防衛隊(2019年7月21日撮影)。(c)Hasan Shirvani / MIZAN NEWS AGENCY / AFP〔AFPBB News

 6月13日、中東の原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡近くでタンカー2隻(内1隻は日本の海運会社が運航)が何者かにより攻撃を受けた。

 1週間後の20日には、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡付近を飛行する米国の無人偵察機を撃墜した。

 7月19日、今度はイラン(と思われる)の無人機がホルムズ海峡で米海軍によって撃墜された。米国によると米海軍艦艇に900メートルまで接近したためという。

 同日、ホルムズ海峡周辺海域でイランが英国タンカーを拿捕したことを公表した。中東情勢は日に日に緊張が高まっている。

 7月9日、米軍のジョー・ダンフォード統合参謀本部議長は、民間船舶の航行の安全を確保するための「有志連合」計画に言及した。

 ホルムズ海峡を含む中東の主要航路の監視を強化し、民間船舶の保護に向けた警備活動を、米国を中心とする有志で実施しようとするものである。

 ドナルド・トランプ米国大統領は6月下旬、中国や日本を名指ししたうえで、自国のタンカーは自国で守るべきと強調した。

 今回の「有志連合」は、航行の自由、安全を確保する努力は、米国だけが行うのではなく、各国が「応分の負担」をすべきというトランプの意向を踏まえたものであろう。

 米政府は7月19日、日本を含む60カ国以上の外交団を国務省に招き、ホルムズ海峡などで船舶護衛を目的とする有志連合構想「海洋安全保障イニシアチブ」について説明した。

「ペルシャ湾やホルムズ海峡、バベルマンデブ海峡、オマーン湾を通る国際水路における海上の安定推進、無害航行の確保、緊張緩和」が目的であり、各国が自主的に護衛艦を派遣して民間船舶の航行の安全を確保しようとするものである。