今回のトラブルで澤村は「断酒」を誓ったという(写真:AP/アフロ)

 お騒がせ右腕につけるクスリはないのだろうか――。巨人・澤村拓一投手が飲酒トラブルを引き起こし、世間を呆れさせている。4月中旬に東京・新宿の繁華街で見知らぬ一般男性に対して酒に酔った勢いで暴行を働いていたことが一部週刊誌の報道によって判明。澤村が被害者の男性に謝罪して和解も成立しているというが、看過できることではない。しかも澤村は2014年にも東京・六本木で飲酒後、美容師の仕事をしていた一般男性への暴力行為が発覚している。

 一度ならず二度までも・・・。そう思っているのはファンだけではなく巨人関係者も同じだ。今季から就任した原辰徳監督も思い描いていたシナリオがさらに大きく狂ったことで腸が煮えくり返っていることだろう。開幕二軍スタートの澤村を4月6日の横浜DeNAベイスターズ戦で何の前触れもなく先発登板させたのも「実はトレード要員として他球団の反応を探るのが目的だった」とささやかれるなど右腕の処遇には相当腐心していたようだ。いずれにせよ、この試合で澤村は3回4失点とボロボロ。その後に明るみに出た前記の飲酒トラブルと重なれば、そんな〝不良債権右腕〟をトレードで獲得しようとする太っ腹な引き取り手など現れるはずもなかった。

入団時は「エース候補」だったが

 当初は将来を嘱望されるGの大エース候補だった。中大の速球派エースとして名を馳せ、2010年にドラフト1位で巨人へ入団。ルーキーイヤーの11年は200イニングを投げて11勝、防御率2・03の好成績で新人王も獲得した。2年目に2年連続2ケタ勝利を飾って以降はパッとしない時期もあったものの、ブルペンに回ってからも守護神として16年には最多セーブ投手のタイトルを手にするなど、それなりに貢献していたのは間違いない。