ノーベル賞は「男の世界」、歴代受賞者のうち女性はわずか5%

スウェーデンの首都ストックホルムで行われるノーベル賞授賞式(2016年12月10日撮影、資料写真)。(c)AFP/SOREN ANDERSSON〔AFPBB News

(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 米国のトランプ大統領が2月15日、「日本の安倍晋三首相が私をノーベル平和賞に推薦してくれた」と発言した。安倍首相はコメントを控えているが、おそらく事実だろう。

 このトランプ発言は世界に複雑な波紋を広げた。日本国内ではメディアの多くが「対米追従」「冗談がすぎる」などと安倍首相を批判した。

「他国の候補をノーベル平和賞に推薦」というと、どうしても思い出すのが韓国のケースである。韓国の政治家や識者たちが日本の憲法9条をノーベル平和賞の候補として推薦したのだ。この韓国による日本の推薦という奇妙な動きについて、私は2016年2月に本コラムで報じた(「『憲法9条にノーベル平和賞』で喜ぶのは韓国」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46131)。

 それからちょうど3年、韓国の日本への敵意や憎悪がエスカレートし、韓国軍の対日戦略などが明らかになった今、ノーベル平和賞を利用しようとする韓国側の思惑が改めて見えてきた。

 つまり、「日本の憲法9条をノーベル平和賞に」という韓国側の動きは、賞賛でも善意でもなかった。主権国家としての日本を抑えつけておこうという意図に基づく、偽善と欺瞞の行動だったのである。

韓国には「日本の憲法9条を守る責任がある」?

「日本の安倍首相がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦した」という話には、さまざまな疑問が湧いてくる。一国の首相である安倍首相がなぜトランプ大統領にそこまで尽力するのか。トランプ氏の実績はノーベル賞に値するのか。日米両国で多くの人が首を傾げた。