トランプ氏、メキシコとの国境を訪問 壁の必要性訴え

メキシコと国境を接する米テキサス州マッカレンを視察するドナルド・トランプ米大統領(中央、2019年1月10日撮影)。(c)Jim WATSON / AFP〔AFPBB News

 年が明けて、米社会ではこれまで経験したことのないような事態が起きている。誇張しているわけではない。

 昨年末に書いた筆者の記事(「経済好調も増えるホームレス、病魔に冒された米社会」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55116)で指摘したことが、現実に起きているのだ。どういうことなのか御説明したい。

 ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)と連邦議会はメキシコ国境に建設予定の壁の予算案で対立したことで、昨年12月に暫定予算が失効。

政府機関の閉鎖が史上最長に

 1月14日現在、政府機関の閉鎖日数は米史上で最長を更新している。

 役所の閉鎖だけでなく国立公園や動物園なども閉まり、減収に見舞われている。それ以上に深刻なのが約80万の連邦職員の給与が支払われていないことだ。

 前回の記事で指摘したのは「1000ドル(約11万円)の出費が発生した時に支払えない米市民が39%もいる」という事実である。

 この数字はバンクレートという消費者金融サービス企業が昨年発表したもので、米国人の預貯金がいかに少ないかを示す数字だ。

 実はこの数字にはカラクリがある。