「われわれは皆、カルロス・ゴーン」電光掲示板で支持表明、レバノン

レバノンの首都ベイルートで、電光掲示板に現れたカルロス・ゴーン容疑者への支持を訴える広告(2018年12月6日撮影)。(c)JOSEPH EID / AFP〔AFPBB News

 東京地検特捜部の取り調べを受けているカルロス・ゴーン容疑者が「年間20億の報酬は自分が貰って良い額だ」と供述しているとの報道がありました。

 こちらは広く日本社会で取りざたされていますが、もう一つ、一部大学関係者以外にはあまり知られていない最近のできごとを記してみたいと思います。

 ブルームバーグの創業者マイケル・ブルームバーグが、母校であるジョンズ・ホプキンス大学に18億ドルを寄付しました。

 そして、同大学が未来永劫にわたり大学入学者選抜試験にあたって、学生の経済状況を考慮することなく、優秀な人材を合格・育成できるようにするというのです。

https://www.nytimes.com/2018/11/18/opinion/bloomberg-college-donation-financial-aid.html?module=inline

 ブルームバーグ氏とカルロス・ゴーン氏、新自由主義の風が吹くなか、典型的な「富の偏在」で風上に位置した2人のケースを見比べながら「未来への責任」といったことを考えてみたいと思います。

実に容易な「V字回復」

 これはすでに久しく指摘されていることだと思いますが、いわゆる「V字回復」的な経営というのは、別段難しいものではありません。

 私のかつての学生たちの中にも、危機に陥った大きな企業の帳簿にメスをざっくり入れて、短期間に経営成績を良くしたケースがいくつもあります。

 それに成功した段階で、それなりの報酬を受け取って企業を去ってしまうという場合が少なくありません。

 ガンを取り除くことに成功した言いながら、その人が生きていくのに必要な臓器の多くも取り除いてしまえば、その先の余命まで取り去られてしまいます。