中国人はなぜ献血を嫌うのか?(写真はイメージ)

 日本でも「献血は嫌だ」という人は少なくないだろう。ただ、その一方で「献血には積極的に協力する」という人も結構いるし、中には献血が趣味だという人もいたりする。

 ところが中国では、ほぼ誰もが「献血はしたくない」と思っている。「献血してもいい」という人もいなくはないが、「献血が好きだ」という人には会ったことがない。

 筆者が住む上海の友人らに献血についてどう思うか尋ねると、「特に年配の世代は、献血は身体に悪いと思っている」「献血をすると太ると聞いた」「衛生面で心配」などの答えが返ってきた。

「親が望まないから」「子どもには献血させたくない」などの意見もあった。ある友人は「親に言うと止められるので、黙って献血に行った」という。

中国人の献血率はわずか1.1%

 実際、中国人の献血率は世界の中でも低い水準であることが分かっている。

 国家衛生健康委員会の統計によると、2017年に中国で無償献血を行った人の数は前年比4.2%増の延べ1459万人で、献血量は5%増の4956トン(リットル換算では495万6000リットル)。献血率は1.1%にとどまった。