アマゾン、食品事業拡大で実店舗展開か 米紙報道

小売大手アマゾン・ドットコムのロゴ。仏パリで(2012年11月13日撮影、資料写真)。(c)AFP/LIONEL BONAVENTURE〔AFPBB News

 米アマゾン・ドットコムは、昨年(2017年)買収した高級スーパーマーケット「ホールフーズ・マーケット」とeコマースのサービス融合に力を入れている。そうした中、同社はこのほど、顧客がホールフーズの商品をネットで注文したあと、店舗の駐車場で受け取ることができるサービスを始めたと発表した

競合のウォルマートとクローガーに対抗

 こうしたサービスは、「カーブサイドピックアップ」や「クリック・アンド・コレクト」と呼ばれ、アマゾンのライバルである、米小売り大手のウォルマート・ストアーズや米食品スーパー大手のクローガーなどが大規模に展開している。

 生鮮食料品は、自宅で配達を待つよりも、自分で店舗に取りに行きたいという顧客が多くいる。カーブサイドピックアップは、とりわけ郊外に住む顧客に人気という。アマゾンもこれまで生鮮食料品のネット販売の一環として、米ワシントン州シアトルの2カ所で「AmazonFresh Pickup」と呼ぶ同様のサービスを行っていた。しかし、今後はホールフーズ店舗を活用し、ライバルへの対抗を本格化させる。

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最短30分で商品を用意、従業員が車に積み込む

 新サービスは、同社の各種サービス同様、有料プログラム「Prime」の会員に向ける。アマゾンには、eコマース商品を最短1時間以内で配達するPrime会員向けサービス「Prime Now」があるが、新サービスは、このPrime Nowのアプリで注文を受け付ける。

 顧客は、アプリで商品を注文し、受取時間を選ぶ。あとは、車で店舗のサービス専用駐車場に行くだけ。車が到着すると、ホールフーズの従業員が商品を運んでくるため、車から離れる必要がない。アマゾンは、「車が駐車場に到着してから、わずか数分で商品が運び込まれるため、他社サービスよりも迅速だ」と説明している。