「Product of Korea (韓国産)」と記載された、日本原産の韓国産イチゴ。「プレミアム(高級ブランド)」(1パックが約700円から900円)とレベル付けされている写真のイチゴは、日本の「とちおとめ」「長崎さちのか」を髣髴とさせる。日本産の半額以下の安価だが、バナナなどの東南アジアの庶民の果物の5倍以上の高級商品。日本産と同様、今がシーズンの韓国産は、米国産やオーストラリア産と取って代わって、東南アジアの高級スーパーに陳列され始めている(筆者撮影、クアラルンプールのスーパー)

 「“韓国”のイチゴ、美味しい!」――。

 韓国で開かれた平昌冬季オリンピックで、日本代表のカーリング女子選手が、思わず発した発言が、イチゴシーズンを迎えた日本列島を揺さぶっている。

 韓国のイチゴは、元を正せば、そう「日本のイチゴ」だからだ。筆者は昨年8月に本コラムの「日本から美味しいイチゴを盗んで恥じない韓国」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50884)という記事の中で、その実態を明らかにした。

韓国のイチゴの90%以上が日本原種

 「韓国のイチゴの90%以上が、日本の原種をもとに交配、育成されたもの」(農水省)なのだ。

 そして、さらなる問題は、韓国が「韓国産」として、日本産の“模倣品”を海外に輸出していることだ。

 日本の「とちおとめ」を「錦香」、栃の峰を「梅香」に変貌させ、別名で「“韓国”のイチゴ」として、「海外市場で安い価格で売り、日本の輸出機会を奪っている」(農水省)のだ。

 世界のイチゴ市場では、米国やオーストラリア産も知られるが、日本のイチゴは今がシーズン。しかし、輸出先の香港では、日本産の輸入イチゴが約4000円から6000円(1ケース)で売られているところ、韓国産は(約3000円)、そのほぼ半額。

 東南アジアでも今、韓国産のイチゴが出回るシーズンで、特に高級スーパーにお目見えしている。東南アジアでは最近、“地元産”のイチゴも出てきているが、味や質は輸入イチゴとは一線を画す。

 特に、輸入イチゴは「高級果物」として扱われ、韓国の輸出業者は、東南アジア市場に日本産より安価な“韓国産”イチゴの販路拡大に攻勢をかけている。