相次ぐ米軍艦の衝突事故、サイバー攻撃が原因との声も

シンガポールのチャンギ海軍基地のドックに入った、衝突事故による穴が開いたままの駆逐艦「ジョン・S・マケイン」(2017年8月22日撮影)。(c)AFP/Roslan RAHMAN〔AFPBB News

 トランプ大統領は政権発足当初、大統領選挙期間中に公言してきた「対中強硬姿勢」を実現させる布陣を敷いた。反中的立場を鮮明にしていたバノン主席戦略官、中国警戒論者であるナヴァロ国家通商会議議長、それにティラーソン国務長官も「中国による南シナ海への軍事的進出は、物理的手段を用いてでも阻止する」と公言して憚からなかった。

 そこで、中国指導部がトランプ政権の“中国強硬姿勢”を切り崩すための秘策として繰り出したのが「北朝鮮暴発の危機」シナリオであると、対中強硬派の米軍情報関係者たちの多くが考えている。

中国軍と北朝鮮軍は通じている

 たしかに中国政府は、トランプ政権の要請や国連の決議などに対して、対北朝鮮制裁を実施する姿勢を示してはいる。しかしながら米軍情報関係者たちは、瀋陽の中国人民解放軍関連施設内に北朝鮮軍諜報機関の中枢が設置されていることを確認している。となれば、中国と北朝鮮の軍事的繋がりは依然として健在であり、中国政府による「対北朝鮮制裁」の動きが茶番に近いものであると考えるのは当然といえよう。

 要するに米軍情報関係者たちは、「中国側は、北朝鮮による対米攻撃能力を備えた核弾頭搭載大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成を加速させ、トランプ政権による東アジア方面での軍事的脅威の関心を中国から北朝鮮に向けさせるように画策している」と考えているのだ。