ロボットが人類の将来を議論、テクノロジー会議「RISE」 香港

香港で開催されたテクノロジーカンファレンス「RISE」のステージに登場した人型ロボットのハン(2017年7月12日撮影)。(c)AFP/ISAAC LAWRENCE〔AFPBB News

 「人間はAIに仕事を奪われる」

 この1年でこういったテーマの記事を頻繁に目にするようになった。直近でも、みずほ銀行はIT化により今後10年で1万9000人削減をする方針を打ち出した。三菱東京UFJ銀行はAI化により今後9500人の仕事を削減するとのこと。

 また、AI化の流れに追い打ちをかけるかのように、米IBMは2017年11月よりAI:ワトソンを無期限で試用できるサービスを開始した。

AIを本気で心配し始めた経営者たち

 私は経営心理士、公認会計士、税理士として経営を数字と心理の両面から改善する仕事をしているが、その中で4年程前からAIが台頭した時代のキャリア戦略について講演をさせていただいている。

 当時、この講演を聞かれた方々の反応は、「そんなSFみたいな時代が来るんですね。面白い!」というものだった。私は警鐘を鳴らしているつもりではあったが、そんな時代が来るのは遠い将来のような感覚で聞いておられた。

 最近になってこのテーマで人前でお話しする機会はさらに増えたが、聞かれる方々の反応は明らかに変わってきている。

 「面白い!」から「ヤバい」へと。

 特に経営者や士業の方はその反応が顕著だ。多くの経営者や士業の方々は、今後、AIの普及によって今のビジネスモデルが成り立たなくなるのではないかという強い危機感を抱き始めている。

 こういった状況を象徴するかのように、M&Aの仲介をやっている知人からこんな話を聞いた。最近、M&Aの成立件数が急増しているとのこと。

 会社を買いたいという買い案件はこれまでもたくさんあったが、会社を売りたいという売り案件がなかなか出て来なかった。ところが、この1、2年で売り案件が急増しているため、M&Aの成約件数が伸びているという。

 売り案件が急増している理由は、今は儲かっているが5年後もビジネスを続けられているかどうかは全く読めないので儲かっている今のうちに会社を売っておきたいという社長からの売却希望案件が急増しているからだという。