トランプ氏、国連デビューで 「官僚主義」を批判

米ニューヨークの国連本部で、国連改革をめぐる会合の会場に到着したドナルド・トランプ米大統領(中央左)(2017年9月18日撮影)。(c)AFP/Brendan Smialowski〔AFPBB News

 トランプ大統領が国連演説で、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの悲劇に言及した。この言及は日本にとって画期的な出来事であり、大きな反響を呼び起こした。

 その背景には、めぐみさんの弟である横田拓也氏の地道で粘り強い活動があった。北朝鮮による日本人拉致事件の解決を目指す「家族会」では世代交代が進んでおり、横田拓也氏はその新しいリーダーの1人になりつつある。

「驚き、感動した」と横田早紀江さん

 トランプ大統領は9月19日の国連総会で演説し、北朝鮮を非難するなかで横田めぐみさんの拉致に触れた。めぐみさんの名前こそ挙げなかったが、誰にでもめぐみさんの拉致への言及だと分かる言葉だった。

「私たちは、北朝鮮が13歳の優しい日本人少女を日本の海岸で誘拐して、北朝鮮のスパイたちの語学教師にするために拘束したことを知っている」

 国連総会での米国大統領の演説といえば、毎年9月、各国首脳が出席するなかで行われる、全世界で最も注目度の高いスピーチである。しかも、トランプ大統領の初めての国連演説であり、その内容に世界中の注目が集まった。そのなかで同大統領は、北朝鮮政府の非人道性を示す実例として、めぐみさんの悲劇を上記のような率直な表現で指摘したのだった。