アフガニスタンは米国の新たな「墓場」に、タリバンが警告

アフガニスタンで負傷した米兵を搬送する衛生兵ら(2011年8月23日撮影、資料写真)。(c)AFP/JOHANNES EISELE〔AFPBB News

 米国がアフガニスタンに駐留を続けることにしたのは、テロとの戦いが理由ではない。

 正確に記すと「テロとの戦いだけではない」になるだろうか。偏った報道であれば、「テロとの戦いは名目。本当の狙いはアフガニスタンの天然資源」と断言してしまうかもしれない。

 だが筆者は両面の理由があると考えている。主要メディアはもちろん、ドナルド・トランプ政権が発表した表向きの内容に主軸を置く。

 トランプ大統領が21日に発表した内容を見てみたい。「米国民の脅威であるテロリストの安全な隠れ場所(アフガニスタン)を復活させてはいけない」が駐留継続の理由であり、米兵3900人の追加派遣も決めた。

再び勢い増すタリバン

 アフガニスタンでは2005年頃から、反政府武装勢力タリバンが勢いを増していた。政府軍が支配する地域も減少しており、米軍が手を貸さないかぎり、同国は再びタリバンの手に落ちる危険性さえある。

 それを危惧したトランプ大統領の増派決定は、内外から納得の声が聞かれた。これまで米国が同国に関与してきた深度を考えれば、支援し続けない限り、これまでの努力が無駄になってしまうからだ。

 なにしろ2001年のアフガン戦争からすでに16年である。約2400人の米兵が命を落とした。さらに米国側の出費は、首都ワシントンのシンクタンク戦略国際問題研究所(CSIS)の試算によると、今夏までに8410億ドル(約92兆円)という途方もない額である。

 おいそれと退散しますと言えない状況がある。アフガニスタンでのテロ対策と国家再建に関与しつづけてきた以上、タリバンに再び同国を支配されてはいけないというのが名目上の理由である。

 次に天然資源への野望という理由に移りたい。