アメリカの大統領選予備選で、政治経験ゼロの不動産王ドナルド・トランプが快進撃を続けているが、フランスでも強力な「大穴」が登場しそうな気配だ。

 それは経済・産業・デジタル相を務めるエマニュエル・マクロンだ。2017年5月の大統領選に出馬するのではないかとの憶測が高まり、その一挙一動が注目を浴びている。

マクロンの人気が急上昇

 マクロンは社会党が中心のオランド左派政権の主要閣僚である。それにもかかわらず、4月6日に「左派右派のあらゆる良き意思を結集」し「左派でも右派でもない政治」を目指すと宣言し、政治グループ「進行!」(EN Marche!)を結成した。

 「進行!」は従来の「政党」ではなく、「同じ意思を持つ人間の集団、団体」だという。すでに1万3000人がマクロンの呼びかけに答えて参集し、「会員」増員のために、目下、草の根運動を展開中だ。

仏大統領選への出馬が噂されているエマニュエル・マクロン(出所:Wikipedia)
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 社会党の予備選では経済学者のトマ・ピケティらが社会党、緑の党、共産党らを含めた左派の「大予備選」を呼びかけており、すでに共産党も賛意を表明した。それだけに、マクロンが、大予備選に出馬するのか、それとも予備選を経ずに直接、大統領選に出馬し、左右の票を集めるつもりなのかも注目されている。

 最近の各種世論調査では、オランド大統領が大統領選(2回投票、直接投票)に出馬した場合、1回投票で敗退するとの結果が出ている。それに対して左派系日刊紙リベラシオンがマクロンの新グループ結成直後に実施した最新の世論調査では、「左派の最良の大統領は誰か」という設問にマクロンが38%でトップ。ヴァルス首相が28%、オブリ・リール市長が21%と続く。オランド大統領は11%だった。1カ月前の調査ではマクロンとヴァルスはほぼ同率だったが、マクロンこの約1カ月で10%も支持率を伸ばした。