先日、セミナーを開催した時に、参加者の方から「どういう人が起業をして成功するのでしょうか」という質問を受け、どぎまぎしてしまいました。確かに、自分が十分に成功したとはまだ言えない状態であるのに、「こういう人は必ず起業をして、成功する」とまでは、とても言い切れないとは今でも思います。ただよく考えてみると、成功するために必要な要素はこれだ、というくらいなら何か言えるように思えてきました。

(1) 他人の意見をいったんは聞く

 成功者はまず話をよく聞く人が多いです。また、人の意見を聞いておいて「いやそれは違うんじゃないかなあ」なんていう態度を取る人は少ないと思います。「それは面白い! 凄い!」という感じで、どんどん話を引き出す話術を持っている人が多いですね。ある種の素直さと、コミュニケーション能力が必要だということかもしれません。

 しかし、そこで聞いた意見をそのまま取り入れているかというと全くそんなことはなくて、むしろシビアに取捨選択をします。成功する人は何事においても自分の考えを持っていますから、他人の意見に盲目的に従うことはないわけです。

 それでも、一度はしっかりと人の話を聴くことができる。これはもはや、情報を引き出すためのスキルと言えるかもしれません。

(2) 正解を他人に求めない

 この質問には、「はい。成功する人の条件は、ずばり正解を他人に求めないということですね」と回答するのが、シニカルで面白かったかもしれないな、と思います。「どうすれば〜できますか」「〜をするにはどうしたら良いでしょうか」という質問の仕方は他責的であり、あまり成功者が好まないやり方であるように思います、と。

 成功者はどのような質問をするかというと、純粋に知識やノウハウを問うか、もしくは「〜についてあなたのお考えをお聞かせ下さい」という形をとることが多いように思います。自分で決める前提で聞くので、「私はどうするべきでしょうか」という態度ではないのが大きな特徴です。もう一度同じ質問をされたら、こんな感じで答えることにします。

(3) スピード感がある

 成功した起業家にスピード感のない人はいません。これは断言してもよいでしょう。私も拙速なくらいスピードは重視する方ではありますが、ついていくのが精一杯くらい、何事も早いです。みなさん忙しいので「今度やっておく」なんて悠長なことは言っていられないから、必然的に「すぐやりましょう」ということになるのかもしれません。

 相手の話を聞いて、紹介できそうな人がいればその場で連絡を取ってしまう。「お時間のあるときに・・・」とお願いをすれば、「短い時間なら、今からどうですか?」という反応が返ってくる。とにかく、先延ばしをしないんですね。断る場合はその場ですぐに(かつ、柔らかく)断りますし、判断も速いです。