中国漁船6隻に退去命令=領海侵犯で-ベトナム

4月7日、ベトナム国境警備隊は領海に侵入した中国漁船6隻に退去を命じた。ベトナム・フーコック島の海軍基地に停泊した沿岸警備隊と軍の艦船(後方、2014年撮影、資料写真)。(c)AFP/HOANG DINH NAM〔AFPBB News

 東南アジアで中国の膨張を抑える中心的存在として日本の安全保障面での活動に今や大きな期待がかかっている──。

 米国の大手研究機関のベトナム系米国人学者がこのほど発表した論文によると、東南アジアにおいて日本の影響力拡大が広く歓迎されるようになってきているという。

 同論文は、そうした日本の影響力拡大を安倍晋三首相による外交政策の成果として高く評価し、中韓両国以外のアジア諸国から安倍外交がきわめて前向きに受けとめられている実態を映し出した。

評価され歓迎されている安倍政権の外交政策

 3月後半、ワシントンの大手シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」のフォン・グエン研究員は、「東南アジアは日本の安倍ドクトリンの旋律に協調する」と題する論文を発表した。グエン氏はベトナム系米国人の女性学者で、ベトナムをはじめ東南アジア諸国の米国や中国に対する政策などについて研究を重ねてきた専門家として知られる。

 まずグエン氏は、日本が今「東南アジアで他に比類のないほど高い人気を保っている」と強調し、東南アジア各国の政府や国民から日本が非常に好感をもたれていると説明する。

 その根拠の1つとしてグエン氏が挙げるのが、2015年に東南アジア4カ国を対象として実施した世論調査で「日本に好感を抱く」と述べた人が全体の80%以上だったという結果だ。