トランプ節が伝染?米共和党、大統領候補討論会

米ネバダ州ラスベガスで行われた、2016年の大統領選の共和党候補による討論会。議題の中心はイスラム国とテロ問題だった(2015年12月15日撮影)。(c)AFP/ROBYN BECK〔AFPBB News

「南シナ海問題で米国は激怒した」といった議論は急速に後退しつつあります。オバマ政権は、3カ月に2回以上のペースで南のシナ海・南沙諸島に米艦を送り込むとしながらも、10月に「ラッセン」を送ったまま動きはなく、イスラム国対策に専念するために年内の派遣を見送りました。

世論調査では地球温暖化問題と中国の台頭は同レベル

 この背景には、米国世論や専門家の見解における中東重視の加速化と、そもそも南シナ海問題等の中国問題自体が米国でマイナーな扱いだったことが挙げられます。

 米国を代表する世論調査機関「ピュー・リサーチ・センター」が、2015年12月8~13日に1500人の成人の米国人を対象とする脅威認識についての調査を行ったところ、米国にとっての主要な脅威として挙げられたのは以下の事柄でした。

 第1は、IS(イスラム国)で83%でした。これは2014年に引き続き第1位でしたが、2014年の調査より16%上昇しました。第2位はイランの核開発問題で62%でした、こちらも昨年と変わりありません。第3位は、北朝鮮の核開発問題で59%です。第4位は地球温暖化および中国の台頭ですが、こちらは両方とも昨年の48%が49%になっただけでした。そして、第5位にパレスチナ紛争が43%、第6位にロシアの脅威が42%という順位でした。