あるとき母親から電話があり、「裁判員に選ばれたのだが、どうすればいい?」と相談された。

 裁判員制度がスタートした2009年のことだ。あれから、すでに6年も経過した。

 制度が開始された当初は話題性もあり、報道されることも多かったが、最近では裁判員制度の話題にお目にかかることも少なくなった。しかし、この6年間で5万9845人が裁判員に選ばれ、7904人の被告人に対して判決が出されている。

 その裁判員制度が2015年、制度開始以降、初めて見直された。

 実は「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(以下、裁判員法)には、2009年のスタート当時、附則第9条に「法律施行後3年で状況について検討を行い、必要があれば改正を行う」旨が盛り込まれていた。