欧米産食品をブルドーザーで処分、プーチン露大統領が全廃棄令

ロシアの食品安全当局は、密輸入された欧州産のチーズの箱をブルトーザーで処分する様子を公開した(2015年8月6日)〔AFPBB News

 昨年のウクライナ問題発生のおかげなのか、ロシア関係のニュースに夏枯れが起こらなくなってしまった。夏季休暇で一息つきたい身にとってはなかなか辛いものがある。そこへ今のぱっとしないロシアの状況を伝える多くのニュースが、となれば、酷暑の東京で感度が落ちる目と頭には物事の倦怠感だけが際立ってしまう。

 ロシアにかなりの抵抗力があることは確かなようだ。西側がいくら期待しても、ロシア人の西側への警戒心が緩み、ヴラジーミル・プーチン大統領への支持率が落ちるという事態にはまだ至っていない。

 プーチン政権の崩壊や、ロシアがウクライナ問題ほかでの大幅な譲歩に追い込まれるといった筋書きは、以前からその気だったロシアと同様に、どうやらさらに1~2年を要する長期戦を覚悟したうえでの期待値になりかけている。

 だから、イラン問題でロシアがどう協力し米バラク・オバマ政権の遺産作りに貢献しようと、米国には対露制裁の手綱を緩めるつもりは当面ないようだ。9月の中国・習近平国家主席の訪米で米中関係決裂、などといった漫画にでもなるなら話はまた別だが、どうもそれは起こりそうにもない。

ブルドーザーで踏み潰された食料品

 しかし、ロシアとの長期戦の先に何があるのかとなると、米政権の中でも強硬派と宥和派に見方が割れているらしい。それに決着をつけられるのは、1年以上先の次の大統領しかいないだろう。

 ロシアも似たような事情で、こちらは次の大統領選までにまだ2年以上を余すものの、先行きの展望を欠いたままの状態がこれからも続いたなら、さしものプーチン政権でもボロを全く出さずに済ませるわけにはいかなくなるかもしれない。

 その兆候とでも言うのか、ロシア政府のやることに「あれ?」と思わせるような傾向が目につくようになった。

 西側の経済制裁に対抗して、ロシアは欧州からの食糧・食品の輸入規制を昨年導入した。だが、予想されたこととはいえ、その制限の網をかい潜ってロシアに入って来る食品は後を絶たない。ならば、で政府は、摘発・没収された違反物件を集めてブルドーザーで踏み潰し、その焼却・廃棄処分の光景をTVで放映し出した。

 まるで、「欲しがりません、勝つまでは」である。ブレない政権、順法精神、愛国主義・・・どう理屈をつけようと、食べ物を粗末に扱うことは、毒でも入っていない限り人類共通の愚行・罪悪でしかない。それゆえからか、この政府の示威行為はどこかおかしいのではないか、とロシア国民の目にも何とも不器用極まるものに映り始めている。