中国、発展改革委元高官に収賄で無期懲役

収賄罪で起訴された中国国家発展改革委員会の劉鉄男元副主任の裁判が行われた河北省廊坊市の中級人民法院前に集まり、賄賂に抗議するスローガンを掲げる市民たち(2014年12月10日撮影、資料写真)。(c)AFP/FRED DUFOUR〔AFPBB News

 中国工程院院士の鐘南山氏は、「中国政府は世界で最も力の強い政府であり、やろうと思えば、何でもできる」と言う。この表現は、中国政府の力を決して誇張するものではない。一党支配政治において、その政府の力は民主主義の政府は比べものにならないほど強い。

 鐘氏の指摘のなかで非常に重要なのは、中国で所得格差の縮小や環境の改善などがなかなか進まないのは、政府が「できない」からなのではなく、「懸命に取り組まない」からだ、としている点だ。

 ギリシャの財政破綻の一方で、上海株式市場の株価指数が乱高下している。ギリシャ危機の原因は政府財政の不健全性にあると言われるが、突き詰めれば、財政を統合せず通貨だけ統合するユーロ圏のモデルに問題があったと言わざるを得ない。

 構造的な問題を抱える中国経済も、制御不能な状況に陥っている。李克強首相は「中国経済はハードランディングしない」と強気な発言を繰り返す。しかし、上海市場の株価を見る限り、すでにハードランディングしていると言えるだろう。構造転換が遅れ、ファンダメンタルズがまったく改善されないなかで、株価は乱高下している。