ホワイトハウス公式夕食会、安倍首相がジョークで笑わす

聴衆の関心をよく調べ話題を作ったことで米国の議員たちから拍手喝采を受けた安倍晋三首相(ホワイトハウスの公式夕食会で、2015年4月28日)〔AFPBB News

 魅力的な話し方がしてみたい、コミュニケーションがなかなか苦手だ、プレゼンテーションや面接で人の注意を惹きつける話がしたい・・・。

 そんなふうに思うことはありませんか?

 ときおり学生から相談を受けることがありますが、私の答えはいつもシンプルです。

 「聴能力を使おう!」

 面接以前の段階で、すぐにアガッてしまう学生がいます。あるいは演奏前に緊張している若いミュージシャンなども同じですが、「話すこと」など、自分がしなければならないことで頭が一杯になってしまっている。

 そうではない、まずその場で相手のことを「よく聴く」ことから始めるのが大事なのです。

「話半分」そのまた半分

 よく「あいつの言うことは<話半分に聞け>」などと言われる場合があります。これは、大げさにものを言う人の話を真に受けてはいけない、ということでしょう。

 これとは全く違うのですが、話術の名手が自分自身の喋り割く時間は能力の4分の1程度、という「基本」があります。

 例えば落語の名人を考えてみましょう。1人で高座に上がっているのだから、ずっと喋り続けているか、と言うと、必ずしもそうではない。実は「間」があります。単に息を継ぐだけの間もあるでしょうが、それでは座がシラケてしまいますね。

 爆笑王などと異名を取るような名人の高座は、ほとんど半分の時間が、実は客席の笑い声で埋まっています。相手を惹きつけ、決して話題から置いて行かないように注意しながら、名人は半分の時間、相手のリアクションを見ている。