3月9日、ドイツのメルケル首相が日本を訪れた。メルケル氏は2005年の首相就任以来、ほとんど毎年のように中国まで来ていながら、日本はなんと7年ぶりだ。ZDF(第2ドイツテレビ)のオンラインニュースはそれを、「体面にこだわる日本人」は快く思っていないと書いている。

自国の事情を棚に上げ安倍首相を批判する独メディア

アシモも歓迎、メルケル独首相が来日

都内の日本科学未来館で、「ASIMO(アシモ)」を見学したアンゲラ・メルケル独首相(右)と、それを見守る毛利衛館長〔AFPBB News

 「世界第3位の経済大国は、メルケルの中国重視のせいで、自分たちが相手にされていないと感じている」、「保守系の日経新聞が、メルケルの訪日がドイツのアジア政策に均衡をもたらすために役立つだろうと書いたのは、少しすねた警告のように響く」のだそうだ。

 ドイツは中国重視のアジア政策を修正するつもりなどないとZDFは言いたいのだろうか。なお、日経が保守系の新聞だとは、私はあまり感じない。

 続けて読むと、日本とドイツの協力に関しては難しい問題がたくさんあるとされる。たとえば、ドイツは福島第一の事故のあと脱原発に舵を切ったが、「徹頭徹尾の原発ファンであるアベ」は、止まっている脱原発を再稼働させようとしている。

 「フクシマによってメルケルが脱原発を決定したことは、アベにとってはおそらく感傷的な弱さの印でしかないのだろう」というのが、この記者の分析。安倍首相が原発を再稼働させるのは原発が好きだからというのは、あまりにもバカげた話だ。

 この記者は、日本の緊迫したエネルギー事情をまるで知らないか、知らない振りをしているか、安倍首相をバカにしたいかのどれかだろう。

 ドイツではまだ半分以上の原発が動いている。しかも、再エネが増えすぎて、様々な支障が出ている。だいたい、脱原発がそんなに喜ばしいものなら、日本ではなく、まずお隣のフランスに勧めてはどうか。フランスは電力の80%近くを原子力に頼っている国だ。

 なお、エネルギー政策だけでなく、経済政策でも、ドイツと日本は方針が合わないという。

 「アベノミクスは、何十億も掛かる景気向上プログラムで、多額の資金を市場に放出して、麻痺してしまった経済政策を活性化する試みであった。そこでは構造改革も同時に為されなければならないが、アベはそれをまだ始めない」。つまり、アベノミクスは、ドイツの緊縮政策とは正反対だというのがこの記者の主張。