4日に行われた米大統領選挙で、事前の世論調査が示していた結果通り、民主党のオバマ候補が大差で勝利した。イラク戦争の失敗で米国の威信を大きく低下させたブッシュ共和党政権に対する米国民の拒否反応は非常に大きいものがあり、マケイン候補は「ブッシュ離れ」を試みたものの失敗したと言える。

<08米大統領選挙>オバマ氏勝利、初のアフリカ系大統領が誕生〔AFPBB News

 また、同時に行われた上下両院議員選挙で、民主党は議席を大きく上積みする見通しである。選挙前で政治的に大きな動きをとることができない一種の「政治空白」期が終了するとともに、ホワイトハウス・上院・下院いずれも民主党が支配するという安定した政治状況が、2009年1月20日の新大統領就任以降、米国で現出することになった。

 開票が始まる前に取引が終了した4日の米株式市場ですでに、S&P500指数が1000の大台を回復するなど、新政権への期待感から堅調に推移した。

 2009年1月に発足するオバマ政権について、市場の側がまず注目するのは、打ち出される経済政策の内容、およびその舵取り役である財務長官人事であろう。オバマ次期大統領は金融サミットにも参加する。

 オバマ次期大統領には、いわゆる「最初の100日」のうちに、金融危機や景気後退への対応で、適切かつ強力なリーダーシップが求められる。議会も民主党支配なので、ブッシュ政権下のような「ねじれ」はなく、政策をスピーディーに実行しやすい政治状況である点が追い風となる。

 財政赤字が金額ベースで史上最高規模に膨らむ一方で、追加景気刺激策を実行に移していく必要があり、あるいは一段の公的資金活用が必要になってくることも十分考えられる。財政事情悪化とのかね合いで、どのような妥協点・妥協策を見出していくのかが焦点となる(中国や日本が増発される米国債の買い手になるというアイデアもあろう。

 オバマ次期大統領は選挙戦の最中に何度か、財務長官候補の名前に言及していた。いずれも、次期大統領の経済政策アドバイザー。下記のほか、ルービン元財務長官もアドバイザーとなっている。

 「著名投資家バフェット氏」(10月8日、大統領選候補者第2回討論会で)「ボルカー元FRB議長、サマーズ元財務長官、著名投資家バフェット氏」(10月31日、CNNで)財務長官がボルカー氏の場合、バブル再発を防ぐための金融機関の規制監督強化が前面に出やすいと予想される。サマーズ氏の場合は、一段の景気悪化・信用収縮を防ぐための財政資金投入が進みやすいだろう。