
「行くべきか、行かぬべきか……」
隣の韓国で、就任(6月4日)して1カ月が経った李在明(イ・ジェミョン)大統領が、苦悩している。9月3日に習近平主席が主催して北京で行われる「中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利80周年軍事パレード」に、参加するかどうかという問題だ。
10年前の軍事パレード、韓国の朴槿恵大統領が参加、喜ぶ習近平主席
話は10年前に遡る。2015年9月3日、習近平主席が主催して、北京で「中国人民抗日戦争及び世界反ファシズム戦争勝利70周年軍事パレード」が開かれた。
この時は、中国人民解放軍に加えて、17カ国の軍隊の行進も行われた。国名のABC順で、アフガニスタン、ベラルーシ、カンボジア、キューバ、エジプト、フィジー、カザフスタン、キルギス、ラオス、メキシコ、モンゴル、パキスタン、セルビア、タジキスタン、バヌアツ、ベネズエラ、そしてラストに、特別扱いのロシア軍が行進したのだった。
さらに、31カ国・機関の代表が、習近平主席に付き従うかのように、天安門の楼上で閲兵した。その中に、イエローの目映いジャケットを羽織った韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領がいたのだ。西側諸国の国家元首としては、唯一の参加だった。

習主席にとっては、そのことが殊の外、嬉しかった。そのため準備で多忙を極めた前日、20分の予定が35分の中韓首脳会談を行い、その後1時間余りの午餐を共にした。二人が会談したのは、この時が6回目で、中韓関係が絶頂の瞬間だった。
だが、2時間39分に及んだこの盛大なイベントを、インターネットのCCTV(中国中央広播電視総台)の生放送で見ていて、私が最も違和感を持ったのが、天安門の楼台に、習近平主席、ウラジーミル・プーチン大統領と並んで立っている朴槿恵大統領の姿だった。「あなたは西側諸国の一員なのに、なんでそこにいるの?」と思うわけだ。実際、本人もバツが悪かったようで、映像で見る限り、一度も笑顔を見せなかった。