エプソンが、2025年に揃って75周年を迎えるOrientとPeanutsのコラボレーションモデルをリリースした。この特別なタイミングで実現した限定モデルは、クラシックな『オリエントバンビーノ 38』、コンテンポラリーな『セミスケルトン』、スポーツラインの『オリエントマコ 40』の3シリーズから登場する。

世代を超えて愛されるキャラクターとの出合い

近年のファッション界では、ラグジュアリーブランドからカジュアルブランドまで、様々なキャラクターとのコラボレーション活動が活発化している。これは単なるトレンドではなく、現代の大人とキャラクターとの関係性の変化を反映したものだ。

かつてキャラクターアイテムは子ども向けという位置づけだった。しかし今、30代、40代の大人たちにとって、幼少期から親しんできたキャラクターは思い出や感情を伴う特別な存在となっている。彼らは洗練されたデザインの中に、さりげなくキャラクターが息づくアイテムを求めている。

OrientとPeanutsのコラボレーションは、まさにそうした現代の大人たちのニーズに応えるものと言えるだろう。

今回のコラボレーションで特筆すべきは、スヌーピーというキャラクターの持つスタイリッシュな魅力が、機械式時計という伝統的なアイテムと見事に調和している点だ。チャールズ・M・シュルツによって生み出されたスヌーピーは、単なる愛らしいキャラクターを超えた存在感を持つ。その洗練された線、ミニマルな表現、哲学的な佇まいは、大人の日常に、“教え”や“気づき”をもたらすものだ。

今回のデザインでは、文字盤の6時位置に寝そべるスヌーピーと、オリエントの向かい獅子マークを想起させる王冠を被ったウッドストック(黄色い小鳥)が配されている。さらにデイト表示の「1」がウッドストックに置き換えられるなど、遊び心あるディテールも盛り込まれているが、全体としては大人の品格を損なわない絶妙なバランスが保たれている。

コラボモデルのケースも特別仕様。オリエントのロゴが初期の筆記体であることも見逃せない

本コラボレーションモデルは、駆動時間40時間以上の自社製自動巻きムーブメントを搭載。裏蓋には筆記体による「Orient 75th Anniversary」の文字とピーナッツ75周年のマーク、ウッドストックの刻印、そして数量限定シリアル番号が刻まれている。『オリエントバンビーノ 38』と『セミスケルトン』には、イージーエクスチェンジストラップ方式を採用し、バンドの簡単な付け替えを可能にするなど、実用性も考慮されている。

これまで、スヌーピーが登場する時計と言えば、アポロ計画にちなんだ、あの「月面着陸モデル」が広く知られてきた。しかし今回、オリエントが提案するのは、日常生活により自然に溶け込む、親しみやすい大人のキャラクターウオッチだ。機械式時計の格調高いデザインの中に、さりげなくスヌーピーとウッドストックを忍ばせることで生まれる、新たな楽しみ。それは、文字盤に目をやるたびに、スヌーピーの世界観に気持ちがホッと和むことである。

その意味でも、75周年という記念すべき年に生まれたこのコラボレーションは、キャラクターと腕時計の関係性をこれまで以上に前進させたものと言えそうだ。品格のあるキャラクターウオッチは、私たちの装いに豊かな物語性をもたらしてくれるに違いない。

オリエントバンビーノ 38
自動巻き、ステンレススチールケース(径38.4mm)、皮革ストラップ。ホワイトは限定7800本(国内 150 本・海外 7650 本)、クリームイエローは3100 本(国内 200 本・海外 2900 本)、5気圧防水、5万3900円

セミスケルトン 

自動巻き、ステンレススチールケース(径40.8mm)、皮革ストラップ。限定1900本(国内 100 本・海外 1800 本)、5気圧防水、5万9400円
 

オリエントマコ40 

自動巻き、ステンレススチールケース(径39.9mm)、皮革ストラップ。限定3800本(国内 150 本・海外 3650 本)、20気圧防水、5万6100円