
米アップルの2025会計年度第1四半期(24年10〜12月期)決算は、売上高が前年同期比4%増の1243億ドル(約19兆2300億円)と、四半期ベースで過去最高を更新した。3四半期連続の増収だった。ただ、スマートフォン「iPhone」の売上高が減少し、市場予想を下回った。中華圏の販売も低迷した。
同四半期の純利益は7%増の363億3000万ドル(約5兆6200億円)で、2四半期ぶりの増益。この額は少なくとも過去4年で最高である。1株利益は2.40ドル(前年同期は2.18ドル)で、売上高とともに市場予想を上回った。営業利益は6%増の428億3200万ドル(約6兆6300億円)だった。
iPhone 1%減収、Macは16%増収
アップルの2024年10〜12月期の売上高を事業部門別に見ると、全体の5割超を占めるiPhoneが、前年同期比1%減の691億3800万ドル(約10兆6900億円)となり、市場予想を下回った。減収は2四半期ぶりだ。
パソコン「Mac」は16%増の89億8700万ドル(約1兆3900億円)と好調で、5四半期連続の増収だった。タブレット端末「iPad」は80億8800万ドル(約1兆2500億円)で、こちらも15%増と、2桁増だった。
腕時計端末「Apple Watch」やスマートスピーカー「HomePod」などの「ウエアラブル、ホーム及びアクセサリー」は2%減の117億4700万ドル(約1兆8200億円)。6四半期連続の減収である。
サービス事業、過去最高更新 200億ドル超え9四半期連続
一方、サービス事業は前年同期から14%増の263億4000万ドル(約4兆700億円)で、引き続き過去最高を更新した。同部門の200億ドル超えは9四半期連続で、アップルの全売上高に占める比率は21〜28%で推移している。
サービス部門は、アプリ・音楽・動画配信などのコンテンツ・サブスクリプションサービスや、広告枠販売、米グーグルからの検索ライセンス収入、クラウドのサブスクサービス「iCloud」、デバイス保証サービス「AppleCare」、決済サービス「Apple Pay」など幅広い事業を展開している。アップルは、同社製端末の実稼働台数(アクティブデバイス)が多ければ多いほど、サービス事業の収益が増えるという構造の構築に成功している。