(英フィナンシャル・タイムズ紙 2023年4月5日付)

アフガニスタン撤退で地に落ちた米国への信頼は、ウクライナ支援で一気に挽回した

 米国と中国の間で板挟みになっている多くの国の一つを自分が率いていると想像してみてほしい。

 アンビバランドという名のその国は東南アジアにある。中国との貿易を必要としているが、中国政府は高圧的だと感じている。

 安全保障と技術については米国を頼りにするが、西側には不信感を抱いている。自国の政治モデルをリベラルから独裁まで広がるスペクトラム上に置くことさえ難しい。

 このため国の外交政策は自ずと書かれる。

 絶対に選ばなければなくなるまで、2つの超大国のどちらかを選ぶことを避ける。あるいは、どちらの方が強い馬かがはっきりするまでは避ける。

米国のウクライナ支援に抱く思い

 さて、この国はウクライナに対する米国の支援をどう見るだろうか。

 まず、非同盟の世界のひがんだ目で見る。

 相手が白人国家でなかったら、米国はあれほどの援助を与えるだろうかと考える。20年前のイラクでは、主権に対するこの懸念は一体どこにあったのかと問う。

 国は制裁を迂回するか無視する。だが、あなたの国アンビバランドの人たちは冷徹だ。

 結局、アレはどうなんだ、コレはどうなんだと話題を逸らした末に、以下の事実を無視できなくなる。